Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2004年01月06日(火) 『甦れ!ユーミン-「シャングリラ」の悲劇とポップスの死/山下邦彦』(太田出版)

初詣で。

生品神社(群馬県新田郡新田町)で、初詣で。
夕方過ぎ、すっかり暗くなった境内。
新田義貞がここから鎌倉に向かって挙兵。
挙兵したルートがそのまま鎌倉街道となっている、のか、どうかはわからんが。
東京都国分寺市の黒鐘公園わきに、府中街道に平行して数百メートルだけ遺されている旧鎌倉街道の暗闇を連想する。
あちらで雪は降り、こちらで雪は降り。


昨年11月に出た『甦れ!ユーミン』山下邦彦著(太田出版)。

冒頭にちょこっとだけ言及される、
(赤組:拓郎・みゆき・サザン、青組:陽水・ユーミン・安全地帯、という85年時のサウンドに対する色分けに言及して)

”ほんとうの問題は、2003年の現在、
軍国の肯定と平和の祈りが『赤組』の圧倒的な優位でリフレインされ歌われ聴かされ共有されている
という事実だ”、

という指摘にシビレてます(今なら青組にミスチルが入るはず)。

ジャズについては(P50〜P51)
”「本物」と「偽物」を見分ける、聴き分けるのはほんとうは簡単なことだ。
テンションがわかるだけでは、コードの形が複雑になるだけだ、
とどこかで本能的に知っているジャズ・ミュージシャンだけが「本物」だ”
と書き、次のページではこう書いている。

”音楽大学で学んだことを、そのまんま肯定して憶えたまんまのことを、
生きている間、ずっと反復して飽きない、なんて人間がアーティストであるはずがない”

山下さん、すごいわ。

ユーミン、パット・メセニーと共演したりするかなあ。してほしいなあ。
メセニーのピカソ・ギターが中心になったアクースティック・カルテットでもってユーミンが歌う、これはもうお経どころかアジアやらユーラシアがぐらんぐらん揺れるようなサウンドになるのでは。

ちなみに、山下邦彦さんの著作のタイトルだけちょっと並べると。
このアーティストのラインナップにちょっとしためまいを覚えることでしょう。
 『Mr.Children Everything - 天才・桜井和寿 終わりなき音の冒険』
 『坂本龍一・全仕事』『坂本龍一・音楽史』
 『キース・ジャレット 音楽のすべてを語る』
 『武満徹 音の河のゆくえ』(共著)
 『ビートルズのつくり方』
 『楕円とガイコツ「小室哲哉の自意識」×「坂本龍一の無意識」』

桜井くんがもっとも信頼している、桜井くんにもっとも影響を与えた、
そういう音楽ライターであることをミスチル好きは認識しておきませう。

山下さんの記譜の革命とは、このドレミ譜のことだったのかしらん。
■9・11と山下邦彦


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

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