近況報告
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2003年10月07日(火) edu-MLへの投稿

昨日のedu-MLへの投稿をここにも掲載します。
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 病気のおかげ?で,今まで知らなかった世界を知るようになりました。先日,腎臓移植の説明会がありました。新規に希望する方が集まったのですが,200名もの方が来ていました。
 現在,全国の腎不全患者で透析が必要な人は20万人。その内,1割が腎臓移植を希望しているそうです。しかし,全国で,提供される腎臓でおこなわれる献腎移植は,毎年50件〜100件程度。愛知県では,1200名の移植希望者がいるそうですが,数件の移植が行われれば多い方だそうです。
 移植をすれば,その移植腎が定着している間(一般に,15〜16年)は,健康な方と同じ状態になるそうです。免疫抑制剤は飲み続ける必要がありますが,最近では,副作用もすくなく,定着も長くなっているそうです。しかし,脳死法ができてから,脳死だけでなく,亡くなった方からの献腎移植の提供も激減してしまいました。アメリカでは,毎年1万件〜2万件の移植手術が行われているのに,人口が半分の日本では,50〜100件と桁違いに低い値です。患者団体では,この脳死法の改定を求めているようです。

 さて,この10月は,「腎臓移植推進月間」です。昨日も名古屋駅で,透析患者の団体が,ドナーカードの配布などキャンペーンをおこなっていました。ニュース画面から,高齢者の顔も見られました。疲れやすい患者も多い中で,とても頑張っていらっしゃいました。「でも,提供者がすくなく,宝くじに当たるような確率では,無理だよな」と悲観的になっている私ですが,今日,主治医の診察の際,「さきほど,このクリニックの患者さんに腎臓が提供されることになったよ」とお話を聞きました。さきほど,脳死認定された方の臓器が提供されたというニュースが流れ,名古屋にも人に腎臓が提供されるという内容でした。私がお世話になっているクリニックは,これまでも何人かが提供を受けているともお聞きし,全く闇夜の状態だった中に,少しだけ,光を得た気持ちでした。10月中旬には,名古屋の第二日赤に,適合検査を受けに行きます。その後,臓器移植ネットワークのデータベースに登録されるそうです。ほんの少しの希望を抱いて生活できそうです。

 「腎臓移植推進月間」ということで,私もちょっとPR。私の場合は,自宅で行う腹膜透析(CAPD)ですが,一般的な血液透析について,私の主治医が中心となって作られたWEBがあります。http://www.touseki.jp/
血液透析は,1日おきに週3回の通院(透析に4時間,準備と終わった後の着替えなどで,合計5時間)が必要です。実際の透析の様子は,あまり知られていませんので,是非,上のWEBでご覧ください。最近は,糖尿病から腎不全に移行される方が,腎不全患者の半数近くを占めているそうです。これ以上,私と同じ苦労をする方が増えないようにと願っています。


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