目を閉じ、深呼吸するだけで。こんなにも、簡単に溺れられる。薄闇に揺れ動く指は、まるで、他人の指のよう。自分に下ろすのさえ、躊躇われる程に。天井に向かい突き出して、差し出して、指を広げる。指と指の間に見えるのは、確かに天井なんだけど、もしかしたら、違うモノなのかも……なんて。そんな、バカげたコトに思考を傾けてもイイかななんて思う夜。カートが、無邪気に。夢の中で、笑ってました。