日記...マママ

 

 

ひどい映画 - 2010年12月23日(木)

「パジャマでシネマ」で「深呼吸の必要」という映画を見ているが、ずいぶんひどい映画だ。
まず、こんな判で押したような厚顔無恥なギャルはいまどきいない。
食卓でネイルやってたら注意されることぐらいはいくらギャルでも知っている。
そのへんは、いまどきのギャルはもっと上手にやる。
あと、サトウキビの収穫がいかに重労働か、情報強者の最たる者であるところのいまどきのギャルはすぐに理解できる。
だから最初から就農体験に来たりしない。
そして全体にどことなく漂う「あいのり」臭。
なんで若い男女がちょうど3対3なんだよ。なにその組み合わせ。おかしいだろ。合コンかよ。
苦楽をともにし、迫り来る災害や危機を乗り越えることで深まる絆。海辺の防波堤でつらい過去の告白。あいのりならその日の山場となるシーンだ。
そもそも「都会での生活に疲れて田舎の温かい人々と自然に触れて癒されて」がもうあまりにあんまりすぎて。
そして今ちょうど「ほんとは現実から逃げてるだけの俺たち、わたしたち」と直面するシーン。目も当てられない。
田舎には田舎の、陰湿で凄惨な人間関係が渦巻いているのだ。
むしろ狭くて逃げ場がない分、都会より大変なのではないかと思ったりもすることもままある。
沖縄出身の女性の話を聞くと、沖縄の地域社会がいかに封建的で前近代的な男尊女卑・家父長的価値観に支配されているものかが端々から伝わってくる。
あと収穫の合間にキャッチボールとかないから。できないから。疲れ果ててるはずだから。
んで最後ああやってかけっこで遊んだりとか、多分そこまで仲良くならないから。もう毎晩疲れ果てて泥のように眠るだけの毎日のはずだから。
そういう現実を見ないふりをした都合のよいこのような田舎賛歌は、もういい加減、量産すべきではないとわたしは思いますよマジで。


唯一のリアリティは長澤まさみだ。
こういう暗い役もできるのか、と思った。
彼女が「おばあ」に徐々に心を許していく過程はなかなかよかった。
夜寝る前に、おずおずと「おじい」と「おばあ」のいる居間に姿を現してみるところとかね。
あのシーンだけはよかった。
「おじい」「おばあ」役の人たちの名優っぷりがすごい。
間の取りかたと言い、セリフのトーンと言い、完璧だ。
あれには長澤まさみでなくとも陥落せざるをえまい。


イブの夜は仕事で疲れているので帰ってすぐに寝ます!




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