Land of Riches


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 2024年03月10日(日)   semel emissum volat irrevocabile verbum 

元旦に出陣男士(三日月・鶴丸・加州・蜂須賀・大包平・水心子)が発表されて以来、
確実に刀ミュの転換点になると予想されていた新作『陸奥一蓮』の初日配信を見ました。

1部ではお馴染み『刀剣乱舞』をアレンジしていつものは歌わない(ちゃんと歌うのは
2部最後の定番で)、負傷装束の解禁、2部でも日替わりソロを導入…など
想像とは少しずれた感じでターニングポイントを感じさせられました。

刀ミュ本丸の黎明期に誰かが折れた話は江水で(山姥切国広と共に)初登場して
観客を呆然とさせましたが、今回、該当出陣のメンバーが一部ながら明かされました。
初期刀(匂わせがあからさま過ぎてこれで歌仙でなかったら正気を疑う)、
初鍛刀(明石の様子のおかしさから愛染国俊説に一理あると個人的には思う)、
三日月宗近、鶴丸国永、山姥切国広、もう1振りの計6振り。鶴丸が穴を掘るのは
新入りが来たら1本ずつ桜を植えよう…と歌仙が審神者に提案したから、という
衝撃の設定が明かされました。そしてその桜は在籍男士より1本少ない…。
(花影メンバーは何も知らないまま桜で花見をしていたのだから暢気なもの)

Xで見かけた感想はいろいろありましたが(前の脚本家の幻影を追っている人が
想像以上にいて、引継ぎ本丸の厳しさを感じさせます)一番腑に落ちたのは
総集編呼ばわりでした。引き延ばしに入った連載漫画のような感触です。
刀ミュは短編連作から刀ステみたいな長編作品に移行していくのだろうな…と。

三日月は審神者との約束を果たすべく単独行動して東北を彷徨い(歌仙を探している?)、
鶴丸も何があっても仲間を守るため、短絡的な強権発動を繰り返します。
三日月が本丸に来てまずやらされたのが歌を詠むことだった回想もあり、
もしかしなくても刀ミュ本丸が2部でやっている現代出陣でのライブも
全部ただの歌仙追悼企画な可能性さえ出てきました。刀ステで軍議のおやつが
意味を変えてしまったように、刀ミュでも今後…過去作品も含めてライブパートを
どんな顔で見たらいいのか、分からなくなってしまった心地がしました。

いや、1部の芝居パートがどんな内容であれ、2部のレビューは別物として
盛り上がるのはある種、ショーの伝統だから気にするのは繊細ヤクザなのですが。
刀ステも刀ミュも行き着く先は原案ゲームであった大侵寇=椿寺だと思うのですが、
3番目に初期刀として選んだ人が多そうな歌仙を折ったとほぼ明確に表現したのは
(ステは2回折っているがいずれもお守りが発動している)
なんと言うか、勇気あるな…と思わずにいられません。鶴丸がヘイト集めているのも。

そもそも一番心を病んでいるのは三日月でも鶴丸でもなくミュ本丸の審神者かもしれません。
この審神者と花影でフレンドリーに話していた長谷部がやや気持ち悪くも感じたのですが、
そもそもどんな狂った審神者であろうと主が一番で、盲信さえできてしまうのが
へし切長谷部という刀剣男士なのでした。ただちょっとだけ、この長谷部を
木原さんは演じなきゃいけないのか…と思っただけです。他の本丸の男士は
頭を撫でてあげることもできません。ひたすら傍観することしか許されないのです。

花影と言えば、今回2部の太鼓曲が花影に続き『炎舞』なんですけど、役者さんたちの
地力差が明確過ぎて正直辛くなるレベルでした。歌唱力が違い過ぎる…。
守破離の破を初日にして許されている、2日目には離まで…ですから。

木原さんお忙しいそうなので次に出るとしたら祭りかな、と勝手に思ってるのですが、
果たして意気揚々と参戦できる心持ちになれるのか、長い目で見ていきたいと思いました。

2024.3.12 wrote


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