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Land of Riches
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| 2021年11月30日(火) |
11月読書録その2『世界は贈与でできている』 |
どうして珍しく月に2冊も読めているのかって? それは診察時に待合室で待つ時間が長すぎるからですよ!
哲学者が描いた本です。分類上は倫理学? ある事象に名前を付けて人間に意識をさせるのが哲学者の仕事ですが、 この本では人間が脳が発達しすぎて未熟児で生誕するようになった結果、 生まれながらにして親などから『贈与』を受けることになる…という定義に基づいた 経済心理学者を悩ませる人間の理屈では説明しにくい行動に取り組んだ本でした。
―贈与は必ずプレヒストリーを持つ。
贈られた物は物の価格とは別の価値を持つ、だから『自分へのご褒美』は空しい…など バサバサと自分の理屈で世界を切り捨てていくゆえ、いまいち納得いかない部分も 多々ありました。そもそも先述の贈与を自覚せずに生きていける人もいるはず。
―自由な社会とは誰にも頼ることができず、誰からも頼りにされない世界。
―他者と共に生きるとは、言語ゲームを一緒に作っていくこと。
こんな調子でバサバサと。同意できる箇所もあれば同意できない断定もありました。 自分のルールで世界を解体するのが哲学者ならば、これはまさに哲学書でした。
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