Land of Riches


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 2019年02月01日(金)   ネイティブ 

誰でも映画が1100円で見られるファーストデー、「審神者はここからがしぶといぞ」という
周回推奨タグがtwitterでバズる昨今ですが、私は退社後にお台場のユナイテッドシネマまで
ゆりかもめに乗って行ってきました。水曜レディースデーは秋葉原の人混みから
脱出できなくてバルト9にたどり着けず見られなかった「めんたいぴりり」を見に、です。

事前予約では10席も埋まっていなかったので、どうなるかと思ったのですが、
結局30〜40人くらいはいたかな? ユナイテッドシネマではとうらぶやってないので、
フードも初めて見ました(みんなTOHOが一番おいしいって言うけど、
そうだろうかと周回繰り返しながら思っている)。柚子ソーダ飲みました。

訛りが凄いとtwitterで見かけてはいたのですが、想像以上に博多弁きつくて、
日本語のはずなのに、意味が分からず前後の流れで類推するしかないシーンが
少なからずありました。驚いたのは、後日読んだ映画ムックのインタビューで、
これでも映画は全国向けだから訛りを控えめにしているということ!

もともと「めんたいぴりり」は福岡の民放局ドラマから始まっていて、
博多座(!)での舞台も踏まえての今回の映画化。モデルはふくやの創業者。
よしもとがメインで作っているし、笑いも取るべくフィクション盛り盛りだと
見た直後は思ったのですが、これまた当の本人がぶっ飛びエピソードを
山ほど持っていて(作中で出てくる、貧しい子に靴やらを寄付したのも実話)
むしろ事実の方が上をいくレベルらしいので、驚きでしかありません。

戦争に徴兵され、美味しいものを食べて幸せになりたい、
そんな美味しいものを作りたいという願いを持ってやってきた博多の街。
釜山出身の夫妻はよそ者ですが、生来の気前の良さで過剰なまでに施す主人公
(作中では従業員ボーナスを山笠にぶっこんでいたが、現実はやはりその程度の
額ではないとか…事実は小説より奇なり)は自然と周囲に受け入れられていきます。

作中では息子の同級生である少女(親を失い親族に引き取られるも、
引き取り先が貧しいので万引きしたり穴の開いた靴を履いたりしている)と、
元人形師のホームレス(空襲で妻を亡くし生きる意欲を失い、
たびたび主人公宅にたかりに来ていた)が特に救われた相手としてピックアップされます。
特に後者の「稲尾がふくのやの明太子をうまいと言った」というホラが
最後に大きな福を招き寄せるという展開です。稲尾投手役は高田延彦さんでした。

明太子と言えばふくや、なのは主人公モデルの孫である現社長が
アビスパ救済のために売上金(利益ではなく!)全額をぶっこむという
脅威の商品を売り出したからですけど、その社長に言わせると、
それは当たり前のことなんですね。DNAが、美学が引き継がれている。
博多の街を元気にする対象にお金を出すのは当然のことなのです。

エンディングで続編希望みたいな台詞がありましたけど、舞台版は今春に
第2弾が上演予定だとか。山笠に上がれること(台上がり)の凄さとか、
福岡の住民でないと分からない暗黙の了解がないと楽しみ切れないので、
1週間早く封切られた福岡ではヒットしていたというのも納得できたのでした。
(監督やキャストの大半は福岡県出身や在住。他県出身キャストは訛りに苦労した模様)

長谷部はもっときつい訛りでも理解できるのかしら…と思いながらも、
なんだかんだで何回も泣かされた、なかなか素敵な映画でした。

2019.2.3 wrote


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