Land of Riches


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 2003年04月21日(月)   切断 

2003年4月20日―とてもとても長い一日。

aiが鹿島で企画して、好評(?)で何度も行われている試合後トークショー。
今度は柏が手を挙げました。平山・中澤・永井と人選もこだわって。
発売日に東京で(そう、あの時、日立台へ行ったんですよ、私)申し込んで、
すぐに当たって。応募者がいないなんて噂もあったけど、結局落選者も出るイベントで。

なんで応募しようと思ったのかな…平山智規という選手に興味があったのは
否定しませんが。私、彼を定義する言葉を、彼のイメージを持ってなかったですから。
(テクニカルなゴールを含め、90分見た結果得たイメージが「まともになった尾亦」なのは
合っているのか間違っているのか…。悪魔の左足、あれが彼の武器なのか、と)

でも本当は、鹿の一日店長と同じです。こんな動機付けがなければ、遠征する踏ん切りが
なかなかつかないものです、アウェーの民は。宇野沢さんの執念のつま先ゴールが
いまだに鮮明な昨年の最終戦、なぜ行ったか正確な答えを出し辛いあの試合で、
私が本当に見たかったもの、聞きたかったもの、それを欲していたのです、心から。

何か勘違いされているようですけど。
「ディフェンダー、ながたみつる!(オイ!)背番号20」
11月の終わり、日立台で心底夢見た幻聴を、この耳で聞いた瞬間の私の想いなんて、
分かってもらおうとしても分かってもらえないものとは承知ですから。
黄色の背番号20、それは追いかけても追いかけても届かなかった幻影。

「ながたっみっつっるっ!」や「やのきしょお!」コールだけじゃなくて、
柏の応援なんて何も知りません。だって、いつもアウェーのゴール裏に座っていたから。
ALなんて、冒険だった…ホームのゴール裏は座れないから、そこは座って見たい
結構熱い人の集う場所。コールリーダーがバックも煽って―あいにく、セレッソの
CK(つまり至近距離でブーイングする機会)は、ほとんどなかったのですが。

生き急いでいると言われるほど、毎節観戦予定を組んでいる私。色々なチームを
見ることでサッカー観は変わりつつあって…同じJ1といえど、クラブによって
クオリティが天と地ほど違うのを痛感しています。鹿島や磐田はハイレベルで、
柏はそうではありません。ただ、西村さん率いるセレッソは、最近ディフェンスの鑑賞を
楽しんでいる私には目を覆いたくなるような有り様(守備をしている選手の守備動作が
守備になっていない、と書いても言い過ぎな気がしない…)で、個人能力頼みの柏は
それよりマシだったりして―何もしないまま去っていった嘉人さんに複雑でした。

で、やっとお目にかかれた黄色の20番。戦術上、不得手なマーカーをやらされ、
ヘッド競り負け(あれでも大分できるようになったと思ってしまうのは甘さなのかな)やら
スライディング失敗やら、彼なりに苦手な部分を頑張っているばかり見せつけられ、
本来の良さが全く出せない現実にうんざりしながら、それでも、猫の目スタメンに怯えて
買えずにいた瑞穂の試合のチケットを購入する決意ができました。
エコパは、ホームのエスパルスがこれまた最悪なので、まだ迷っているんですけど。

角田誠という規格外CBを眺めて暮らしているから、正直、今の永田充をどう評価していいのか
(置かれている立場込みで)分からないんですけど、でも、やっぱり、好きだから。

もう一人、目が離せない人がいました。一番前の矢野貴章さん。
どう考えてもプロの身体ではないのに、身長だけは一人前だから使われている人。
足が長すぎてうまく使えないのも百も承知、せめて身体を作らせる時間を
与えてほしいと願いつつ、出た以上は結果を出してと祈って、祈り続けて。

ことごとく潰されボールを失い、それでも懸命に考えてポストであり続けようとする
(柏にもう一人いるブラジル人のポストは、この日出場停止だったのですが、
貴章と違って周りの存在を考えません)貴章さんと、プロのパフォーマンスではない
彼を非難し続けるサポーター(このリアクションは当然だと思うので、悲しいのですが、
言い返すことはできません)を見ていて、とにかく目に見える答え=ゴールが欲しいと
心から思って、何度も空を切る貴章さんのヘディングを眺めていて。

だから、左から入ったクロスに合って、それがネットに吸い込まれた時は、
とてもとても、とても嬉しかったですよ。なんだか、母親みたいな気分でした(笑)

平山さんの左足が炸裂して、試合が壊れて、最後には柏DFも壊れてしまったけど、
肋骨が折れても、宇野沢さんが空回りしても、応援が本当に少ししか分からなくても、
小雨が冷たくても、なんだか嬉しくて、幸せで、楽しくて、興奮して。

すっかりSBとなってしまった光輝さんの守備を見て、早稲田時代のプレーメーカーぶりを
思い出して切なくなりながら(平山さんの守備もダメなりに全力なのが伝わってきて
見ていて痛い)貴章さんや永田さんの学生最後の試合を見ているのを思い起こしたり、
絡み合う縁の怖さを思い知りながら、永田さんアシストに気づかずにいたり、そんな90分。

貴章さんがインタビューで、サポーターへ一言と言われ、「いつも怒られてたんで」なんて
開口一番に口にして「怒ってないぞー!」なんて声がゴール裏から飛んだのを
微笑ましく聞いたりして(こんなこと言う人初めてですよ…ふふふ)いた、
でも、幸福な時間はこれで終わりだったのです。唐突に時は巡って。

…以下、22日付へ続く。


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