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 2002年05月03日(金)   フットボール・リズム 

名波さん………(沈思黙考)

ai最新号のモノクロに、山口さんによる4年前のプレイバックがありましたけど、
とても目を通す気になりませんでした。私の心の片隅で氷結したままの記憶。
あれはあれで、私にとって必要な時間だったんです。あの半月は。
ずっと相馬さんを追いかけて、追いかけて、追いかけて、海を渡って。
トゥールーズのスタジアムで配られた、表に日本、裏にアルゼンチンの国旗が
(この辺の表裏解釈はあくまで日本人的に)プリントされた紙に、確か、私は
「3 SOMA 10 NANAMI 日本の生命線!」とマジックでごしごし書いた記憶があるのですよ。
当時の私にとって、それが代表のほとんど全てでした。
名波さんは自著で、あれを最初で最後のワールドカップだと書きました。
でも…あのチームの破片を背負って2002年のピッチに立てるのは名波さんだけだと思うのです。
いや、中田英寿さんや小野さん、そして市川さんが今の代表にはいますけど。
だから、正確には、4年前の私の記憶の断片を背負ってくれる人が
名波さんしかいない、と書くべきでしょう。中山隊長でもいいんですけど。

今日は刷って・折って・綴じての作業を軽く15部ほどこなして、
(やっぱりコピーで失敗して無駄にお金を使った私)
夜は楽しみにしてたNHKスペシャルを見ました。ジダン&キムタク。
木村拓哉さんの口にした言葉は、NHK的にオゲェなのか、というのも多少ありましたけど、
サッカーが好きだというのは確かだと思いました。でもあのトロフィーレプリカなんじゃ…。

つくづく思うのは、サッカーの深淵さ(あと3晩もちゃんと見たいけど見られるかな?)と
言葉という表現媒体との乖離ですね。本当にフットボールを語るのは難しいです。
たとえば、ホンジュラス戦での俊輔さんの2ゴール。
あれを表現しろ、と言われたら、生の一回では当然無理で、
ビデオで10回リプレイ見たとして「凄まじいカーブを描いて」あたりの
陳腐な表現に収まるんじゃないかと思います。
観戦記はいつもメモから起こすんですけど、直接FKは一番書くの難しいですね。
まずメモを現地で取る時点で、一応軌跡の矢印を書いてみたりするのですが、
二次元と三次元の違いは超えられようもなく、既に表現手段を失っているのです。

他にも中田英寿さんの「キラーパス」と小野さんの「エンジェルパス」の違い、
そう形容されるパスとの、たとえば小笠原さんや本山さん(なぜ45分で交代?!)、
あるいは野沢さんの繰り出すパスとの違い、もちろんそれらは全てTPOによって
緑のフィールドに描く軌跡(←この表現が既に二次元的な発想にとどまっている)を
異とし…言っていたのは木村和司さんだと思いましたけど、実況や解説なんて
途方もなく難しい作業だと思うんですよ。リアルタイムで言葉を当てはめていくなんて。

うーん、だから、フットボールは、スタジアムで、自分の目で…五感を駆使し
持ちうる限りの感受性と想像力を発揮して、体感するしかないと思うのですよ。
本当なら自分でボールを蹴ってみるべきなんでしょうけど…それは挫折したので(苦笑)

あまり先のことを考えず毎日をしっかりとやりたい。

やはり間違ってました、微妙に(笑)<SさんSpecial Thanks!
霧の中に立ちつくす今の私にとっては、重い言葉です。
親には「充電と放電は違う」と釘をさされました。しなければならないのは前者。
でも、やっぱり何もしたいこと(すべきことすら)が思い付かないのです。
それでも流れ行く日々。何かを得なければ、私の一番大嫌いな“無意味”な時間になってしまいます。
私も先のことは考えたくないです、今はただ、次にやることを見つけたいだけ…。

この心臓が動いている間に…動いている間に…悔いのない日々を…。


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