anxious for Heaven

鳥かごなんて、最初からなかった。

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2005年09月13日(火) 小さな自分と手を繋いで。
私が、そしておそらく私たちが必要としていて
欲しいと思うのは
他でもない「君自身」なんだ
君自身が果たし続けている「役割」じゃなくて

だってそんなもの
いくらでも替えがきく
君がやらなければ誰かが
でも君が君であることだけは
他の誰にも絶対できはしないから

私は冬寿が好きだし必要だ
夫という存在が欲しいんじゃない
彼自身が欲しい
それと同じ
私は君が必要で大好きだ
君の果たす役割が欲しいんじゃない
君が笑っている姿を見たいんだ
君と話したいんだ

「道具が必要なんじゃない」

君と話すたびに感じていた
微かな怒りや苛立ちや歯痒さは
自分を見ているようだったから
ほんの数年前の自分がそこにいるようだったから
怒り、苛立ち、歯痒く思い
焦燥感にも似た思いを抱いてた

自分は辛かった
矛盾、葛藤、理不尽、不可解
そんなものを直視するのが恐かった
期待に添えなくなるのが恐かった
必要とされなくなるのが恐かった
変わったと言われるのが恐かった
役割を失うのが恐かった
自分に纏わることを把握出来ないことが恐かった

自分の根本を失うことが恐かった
失ってからの自分の有り様を想像するのが恐かった
全部が恐かった
自分も
周囲も
みんな恐かった

君と同じ

じゃあ今は?

私は私の解決策を見つけた
今は今で楽しい
何も失っていないとは思わない
でも何も得られていないとも思わない

私が役割の大部分を放棄しても
変わらずに回り続ける世界はあるし
時折、自分から役割に舞い戻ることもある

君に言いたいのは

世界は君なんかいなくても回る
歯車としての君の存在などちっぽけで
世界にとっての君は、君の役割は
必要不可欠なものでありはしない

だけどね
君自身の世界は
君自身が見て、感じて、愛する、君の世界は
君がいなくては成り立たないんだよ
君自身が「感じる心」がなくては
全く意味を為さない空虚なんだよ

だから
君の本当の役割はきっと
「君としてそこにあること」
「自分であること」

自分を殺すな
周囲の為に自分を殺すな
そこまでして期待に添うな
そこまでして背伸びをするな

「あなたの為に死ぬわ」
大好きな人にそう言われて
死なれて
君は嬉しいかい?

死ぬことは俺にとって何の為にもならない
俺の為を思うなら生きろ
君はそう言うんじゃないかい?

みんな同じだよ
みんな、でなくとも
ほとんどの人は同じだよ


君の知らない
君の認識できない
君の許容できない
そんな君がいる

そんな「知らない、認識できない、許容できない」全ての君を
知れ、認識しろ、許容しろ
なんて言わない
ただ
そういう自分もいるんだってことだけは
忘れないで欲しい

君の目に写るものだけが真実、じゃないよ
君の目に写るものも
他人の目に写るものも
みんなそれぞれに真実なんだろう


矛盾を正せとは言わないよ
矛盾もあるんだって知ってほしい
全てに説明がつくとは限らないって知ってほしい

説明しきれない、揺れ動く、不可解で理不尽なこと
それが感情なんじゃないかって思うから
友情も、憎しみも、恋も、愛も


置いてきたものは
残念ながら、完全な形では取り戻せない
だけど
それを取り戻そうとする過程の中で
何かが見つかるかもしれない
何かを思い出すかもしれない
絶対に意味はある


恐がらなくていいよ
恐くないよ
なんて言葉は嘘だ
だって恐いもの
自分の知らないことが、自分が知らないということが
きっと一番恐いもの

だから

恐がれ
絶対恐いよ
恐くないなんて嘘だ

でも
みんなが恐いと思うことだ
恥じることじゃない、当たり前のことだ

まず恐怖を認識しなきゃ
何も乗り越えられないよ

だから大丈夫
君はもう既に進んでる

きっと大丈夫


私は待ってる
他でもない君が
君自身を連れて帰ってくることを
私は待ってる

きっとみんな待ってる

だって
シンユウ、でしょう?


ラスボス、ブッ倒して、帰っておいで
置き去りにされたお姫様連れて、さ
帰ってきたら凱旋祝いだ


待ってるよ
シンユウの帰還を
ねっ。

一緒にいられると思ったのは
たぶん、間違いじゃない。
written by:Kyo Sasaki
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