橋本裕の日記
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アイルランドについて、日経新聞やトーマス・フリードマンの「フラット化する社会」を参考にしながら書いたが、ありがたいことにeichanがアイルランドに住んでいる娘さんにこれを送ってくださった。そして娘さんからのメールを転送して下さった。娘さんに転載の許可をいただいたので、ここに紹介しよう。
<実際に生活していて、アイルランドで働く人が有能だという実感が全くない。極々一部の人間が有能なのか・・・?どこにいるの? 仕事を途中でほったらかして、時間になったら仕事は終了。いい加減きわまりない。折り返し電話をしますと言われて待っていても電話なんてかかってこない。仕事の処理能力は日本人の半分以下。ひどい会社であれば、10分の1。まー、欧米はどこもこんなもんじゃないかと思うけど・・・。
確かに法人税率を下げ、企業誘致をし、成功したようではあるが、誘致された日本企業の中には撤退した企業も少なくない。先日、NECも撤退した。そして、撤退したくても、労働者が守られすぎていて、解雇する場合、支払わなければいけない保証が相当大きく、なかなか撤退に踏み切れないという話しも聞く。
私には、EUの中の唯一の英語圏だったため、アメリカ(アイリッシュが多い)よりヨーロッパの拠点として、選ばれた幸運な国だっただけのように思える。日本で同じことをやっても、同じようにはいかないでしょう。
製薬会社に関しては、動物実験、どうぞ行ってくださいという姿勢が他の先進国(アメリカ・イギリス)ではありえないようで、製薬会社にとって、都合が良いということもあるよう。とにかく、異常なバブルにしか見えない。いつまで続くのだろうか? とアイルランドに住む日本人はみんな思っているのだけど・・・>
現実のアイルランドは「住めば都」とならず、実際、物価は日本の1.5倍くらいの感じで生活も大変だという。教育改革で優秀な人材が育っているといわれていても、現状はかなり問題がありそうだ。それに所得が増えても、物価がそんなに高くては、住みやすい国とはいない。
OECDの2000年の調査によると、アイルランドの貧困率は15.4パーセントで、先進国ではアメリカの17.1パーセントに次いで第2位である。ちなみに第3位は15.3パーセントの日本である。貧困率とは所得が平均所得の半分以下しかない人々の割合である。貧困率がこれほど高いということは、アイルランドもかなりの「格差社会」になっているということだ。
これに比較して、貧困率の低いのがデンマーク、スウェーデン、ノルウエー、フィンランドといった北欧の国々で4〜6パーセントと、日本の1/3程度である。こうした国に住んでいる人の現地レポートもぜひ読んでみたいものだ。
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