橋本裕の日記
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| 2006年11月19日(日) |
子どもに大切なのは愛情 |
首相官邸のHPに「教育改革国民会議」(座長:江崎玲於奈)での委員たちの発言の要旨が掲載されていたので読んでみた。それによると、小学生に対して、「教育の責任は当人50%、親25%、教師12.5%、一般社会12.5%であることを自覚させる」必要があるそうだ。
小・中学生に対しては「簡素な宿舎で約2週間共同生活を行い肉体労働をする」こと、高校生には「満18歳で全ての国民に1年ないし2年間の奉仕活動を義務づける」ことも書かれていて、平成12年の「提言」もこの方向でまとめられている。
またこの資料には、「教壇を復活させることなどにより、教師の人格的権威の確立させること」「名刺に信念を書くなど、大人一人一人が座右の銘、信念を明示する」などという発言も載せられている。
行政が取り組むべきことは、「子どもを厳しく<飼い馴らす>必要があることを国民にアピールして覚悟してもらう」ことだそうだが、こうした発言をした人は、本当に現在子供たちが置かれている現状を見ているのだろうか。私も子供たちがこのままでよいとは思っていない。しかしその処方箋はいささか違っている。思いつくままにいくつかあげてみよう。
○通学路に風俗のチラシを貼るな。 ○企業は金儲けのために若者を食い物にするな。 ○若者を無力な消費者にするテレビコマーシャルを規制せよ。 ○小学生に安心して遊べる場所をつくれ。 ○親は家庭でかならず子どもと食事をするべし。 ○少人数学級を実現し、教師に子どもと向き合えるゆとりを与えよ。 ○受験競争を煽り立てて、小学生から塾にかよわせるな。
大人がこうした努力をすることが先決である。それをしないで、「愛国心をもて」「親に孝行せよ」などと子どもに強要しても逆効果でしかない。子どもを甘やかすのではなく、厳しくしつけをすることは必要だ。しかし、そのためには、子どもにたいする「愛情」がなければならない。残念ながら委員の発言にはこのあたたかい親心が感じられない。
大切なのは子どもを家畜のように「飼い馴らす」ことではなく、愛情を注いで「慈しみ育てる」ことだ。大人の愛情があれば子どもは自然に育つ。安倍首相のもとで開催される「教育再生会議」(座長:野依良治)では、こうした原点を踏まえながら、もっと子どもの人間性を尊重して、現実に即した発言や提言をしてもらいたい。
http://www.kantei.go.jp/jp/kyouiku/1bunkakai/dai4/1-4siryou1.html
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