橋本裕の日記
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2006年02月22日(水) 勤勉な労働は報われるか

 朝日新聞が18、19日に実施した全国世論調査によると、71パーセントの人が所得格差が拡大したと見ている。そのなかの49パーセントは、小泉首相の政策に関係があると答えている。「小さな政府路線」についても、このまま続けて欲しいという人は、28パーセントしかない。

 国民やマスコミで圧倒的人気を誇った小泉内閣の支持率も、43パーセントにまで下がった。そして不支持が41パーセントと拮抗してきた。とくに、働き盛りの40代〜50代では、内閣府不支持が66パーセントと、支持の24パーセントを圧倒している。

 小泉首相はこうした結果について、格差拡大は構造改革の結果と結びつけるのは、「遅速で短絡的だ」と記者団に語ったという。安部官房長官は、「汗を流した人、頑張った人、知恵を出した人が正しく評価されることによる帰結であれば、多くの人々が肯定的に格差をとらえている」との見方を示した。小泉首相も以前にこうした「格差是認」の発言をしている。

「下層社会」の著者の三浦展之さんは、参院から参考人招致の打診を受けたそうだ。日程があわなかったので出席できなかったらしいが、彼は週刊ポストに「下流社会の楽しみ方」というエッセイを連載している。小泉首相の格差是認の発言について、こう書いている。

<祖父の代から政治家であり、横須賀出身の慶応ボーイの小泉さんにはいわれたくないな、とは思う。小泉さんは裸一貫でのし上がってきたわけじゃない。学歴もない、職業的な地位もない、収入も低い家に生まれた人間の気持ちなんて、わかるわけないだろう。そういう何の資産もない人間と、小泉さんみたいな生まれながらのプリンスが、同じスタートラインから競争するのは、機会不平等だってことに気がついていただきたい。

 僕は小泉さんもホリエモンも頑張っているとは思うけど、駅のトイレを掃除しているおばちゃんも頑張っていると思う。トイレの掃除をしている人が、どう報われる政治をしているのか、そこが問題だ>

 私もトイレ掃除をしているおばちゃんが報われる政治をして欲しいと思う。親から財産や地位を受け継ぎ、学歴まで受け継いでいる人が、ますます有利な位置を占めるような資産家優遇の格差社会であってほしくない。機会均等の競争というのであれば、まずは100パーセントの相続税を実現し、教育費をすべて無料にすることだ。


橋本裕 |MAILHomePage

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