橋本裕の日記
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戦争中、日本人は鬼畜米英を叫んだ。しかし、敗戦後、日本人はハリウッドの映画に象徴される開放的で自由なアメリカが大好きになった。なにを隠そう私もアメリカが大好きだった。中学生のころは地球儀でアメリカを見ただけで、何だか胸が切なくなるような思いを抱いたものだ。
大学に入って、社会主義に共感を持ち学生運動にもかかわった。アメリカ主導のベトナム戦争に反対し、反米に傾いた時代もあるが、それでもアメリカの自由主義、民主主義に憧れる気持はあった。フランクリンやジェファーソン、エディソン、リンカーン、ケネディ、キング牧師など、多くの偉人を輩出し、ヘミングウエイやマークトゥエンなどの作家を生んだこの魅力に満ちた国をそう簡単には否定できなかった。
現在、私はアメリカを手放しで賛美しようとは思わない。貧富の差がはげしく、犯罪率も高い。必ずしも全面的に日本がお手本にすべき国ではない。しかし、世界でもっとも魅力的な国はどこかと聞かれたら、たぶんアメリカを上げるのではないだろうか。ヨーロッパの国々、たとえばオランダやスエーデン、フランスなども充分魅力的だが、やはり多民族国家アメリカのスケール大きさと懐の深さには及ばない。
20世紀はまさにアメリカの世紀だったといえる。ドイツや日本のファシズムを粉砕し、ソビエト共産党の全体主義をうち砕いた。そして世界の平和と繁栄のために、アメリカはそれなりの寄与をした。私たちが国際社会のリーダーとして民主主義の旗手であるアメリカを持ったことは幸せなことだった。日本人はこのことを深く実感しているのではないだろうか。
しかしそれはそれとして、最近のアメリカの国際社会における姿勢にはがっかりさせられることが多い。自国の経済活動を優先させて、いま国際的な緊急の課題になっている地球温暖化や環境問題をないがしろにしたり、9.11事件に対する過剰なほどの軍事行動など、批判すべき点は多い。今後アメリカが覇権国家として暴走しないように、私たちはつねにその行動に対して批判の目を向けていく必要がある。
<今日の一句> 朝涼に 虫の声きく しみじみと 裕
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