橋本裕の日記
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2002年03月12日(火) 体内環境の悪化

 花粉症の原因ついて、昨日書いたことを、もう少し補足しておこう。先日、北さんの掲示板に書き込んだ内容の再録が中心である。

 藤田紘一郎さんの「共生の意味論」によると、日本で初めて杉花粉症を見つけたのは、1963年で、藤田さんとおなじ東京医科歯科大学教授の斎藤洋三博士だそうだ。

 日光にすむ成年男子だったが、日光に延長37キロメートル、約1万3千本の杉が植えられたのは17世紀前半だという。昔の日本人は別に杉花粉症にはならなかった。それでは発症の原因は何かということだが、たとえばつぎのような要因が考えられる。

�‖腟け�染のなかの免疫増強因子の増加
��都市化による住宅環境の変化
��杉の花粉飛散量の増加

 しかし、藤田さんはこうした環境変化だけではなく、
�ご鸚乎遒両談任覆匹梁瞭盍超�の変化
が大きいのではないかという。

 日本人は太古の昔から、体内でたくさんの虫やバクテリアと共生してきた。それを薬物によって駆除したために、この30年間ですっかり体内環境が変化してしまった。このことと花粉症の発症が密接に関係していることを、藤田さんはニホンザルの花粉症と比較することで論証している。

 花粉症という文明病の根底に、「共生の破壊」をとらえていて、なかなか奥が深い。藤田さんはNHKの「人生読本・こころの時代」のなかで、こんなことを語りかけたそうだ。

「ヒトが病気からまぬがれるための免疫から、いま、異物を認識し排除しする免疫に考えが変化してきた。しかし、僕たちがヒトと寄生虫や微生物とのやりとりを研究していると、免疫とは異物を排除するための機構ではなく、共生をいかにスムーズにするか、そのための機構であるように思われてくる」

「寄生虫や体内細菌など汚いものを排除する、この清潔運動が社会を突き動かすと危険である。・・・うわべのきれいさの裏に汚物が積もっていく。神戸の痛ましい少年事件の背後にも、免疫機能を失った社会で、この清潔運動が見え隠れしている」

 昨日の日記でも触れたが、現在の日本人のスギ特異的lgE保有率は5割で、この30年で5倍になっている。中国人の場合は3割。中国で最初の花粉症は、1998年に南京医科大学で32歳の女性だそうだ。

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 なお、花粉症について書かれたHPはたくさんある。いずれも対症療法について述べたものが多く、その原因を深く追求しているものはそう多くはないが、まるでないわけではない。たとえば「生活環境協会(NPO)」のHPがそうである。ドイツの花粉症の現状について、私はこのHPから学ぶことができた。以下に引用しておこう。

<ドイツにはアレルギーを持つ人が3000万人も存在するといわれる。花粉症も非常に広がっている。日本では杉花粉が多いが、ドイツではシラカバ花粉が中心である。そして、花粉症の患者は田舎よりも都会に多い。電子顕微鏡で見ると、たとえばバード・エムスタール付近の花粉は非常に綺麗なのに対して、ベルリンやミュンヘンの花粉にはスモッグの微粒子が付着している。つまり環境公害が花粉とコンビネーションを組んで、アレルギーを起こすと考えられる。人間の肺の面積は80平方メートルもあり、一番花粉が飛ぶときは、1日に8グラムも花粉を吸い込んでいる。杉やシラカバ花粉の対策プログラムを作ったとしても、その他にいろいろなアレルギーが付いてくることを知らなければいけない。

 そして、花粉症のうち多くの人は食料品(食物)アレルギーを持っている。このように複合したアレルギーのことを「クロス・アレルギー」と呼ぶ。1999年の統計では、ドイツで人口の3%、約200万人が食料品によるアレルギーに苦しんでいるという結果が出ている(ドイツの総人口は約8220万人)。私自身(ルノー博士)はもっと多いと思っているが、200万人としても非常に大きな数字といえる。食料品によるアレルギーは、ドイツでは国民病になっているのである>

(参考サイト)「生活環境協会」 http://www.seikatsukankyo.or.jp/index.htm



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