橋本裕の日記
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2001年12月19日(水) correct と good

 私たち日本人は何年も学校で英語を習いながら、簡単な日常会話でさえろくに英語で話すことが出来ない。こうした状況は、他の国ではあまりないことらしい。どうしてこんなことになるのか。

 さまざまな原因が考えられるが、私が思うのはやはり学校で習う英語が「試験のための英語」だということだろう。試験の場合、○か×かという二者択一的な選択になる。

 たとえば、「あなたをサポートします」という英語の英訳として、次のような英文が考えられる。
 ��I will suport you.
 ��You will have my suport.

 これらは、いずれも正しい英語(correct English)である。しかし、いずれがgoodな英語かと言えば、�△諒�だろう。以前にも書いたが、話者中心の日本語に対して、英語は聞き手を中心にして発想するからだ。

 つまり、試験英語では、こうしたgood English が身につかない。実際は使われることがないどこか不自然な和製英語が○として通用する。もちろん通用するのは日本の学校の中だけだから、ものの役には立たない。

 中学校で私たちがまず習ったのは、たとえば、次のような英語である。
 � �This is a pen.
 �◆�I am a boy.

 しかし、このような英語が実際に使われる状況はあるのだろうか。�,呂燭箸┐弌�交通事故で脳を破損した患者が医者から知能検査を受けている状況といったところだろうか。いずれにしても、かなり特殊な状況である。

 �△留儻譴鮖箸�場合は、とくに注意を要する。たとえば、女性を前にこんな英語を使ったとしたら、ちょっと困ったことになる。なぜならセックスアピールと受け取られ兼ねないからだ。眉をひそめられるか、笑われるかするのが落ちだろう。「Be a good boy.」(おりこうさんにしているのよ)とたしなめられるかもしれない。

 � �I have a pen.
 �◆�Do you have a pen.

 これらの英語を日本語に訳したらどうなるのか。もし試験に出たら、私たちは迷うことなく次のような答えを書くのではないだろうか。
�〇笋楼賈椶留�筆を持っています。
�△△覆燭榔�筆を一本持っていますか。

 もちろん、これで○である。しかし、これらの英文がこうした意味で用いられることはまずないだろう。それでは、普通はどんな意味で用いられののか。
� .撻鵑鬚�貸ししましょうか。
�◆.撻鵑鬚�借りできますか。

「受験英語」ではこうした訳が浮かばないだろう。しかし、これが実際の英語なのである。なぜ、日本人が英語を話せないか、それは「受験英語」に習熟すればそれだけ、こうした自然な英語の発想や感覚から遠ざかることになるからだ。

 多摩大学長となったグレゴリー・クラーク氏は、大学入試に英語を課さないことから大学改革を始めた。その理由は、中学・高校と間違った方法で英語を学んだ生徒の英語力などテストをしても意味がないからだという。

 若い頃にこうした受験英語に毒され過ぎると、大学に入ってからこれを矯正することがむつかしくなる。中学、高校の劣等生の方が、大学に入ってから伸びるかも知れない。同様のことは「数学教育」や他の教科の場合にも当てはまるのではないだろうか。

 ペーパーテストを中心にした学校教育の在り方を根本的に変えることで、私たちはcorrectであるばかりではなくgoodでもある、まっとうな「学びの世界」へ足を踏み入れることが可能になる。


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