罅割れた翡翠の映す影
目次過去は過去過去なのに未来


2004年05月14日(金) 鏡・ペイン

同情なんかいらない
だから絶対話してなんかやるものか

ジレンマ。
気づいて欲しいのにプライドがそれを許さない。
気づかれない為の演技はますます上達する。
同じ、種類の人間がいる。

同じジレンマを持つ故に、
彼には演技を見破られるし
僕は彼に気づく。

精巧に模られた笑顔の仮面。
その奥で溢れ出しそうな涙。
無理矢理に凍らせてる感情。
融けてしまったら、南極と北極の氷が融けるのと同じで
全てが壊れてしまいそうで。

彼と居る時間は心地良い。
でも同時に苦痛でもある。
『何故気づかない?』
『こんなに泣きそうな顔してるのに?』
彼は僕の鏡像で、僕は彼の鏡像。
恐らく僕も同じ顔をしているのだろう。
そして彼にはやはり気づかれている。

過去に彼と誓約を交わした。
『頼らない』
鏡像に頼ったところで、
その鏡像だって頼りたいのだ。
そして気づいて欲しい人間はお互いに全く違う存在だから。
融けた感情を抑えられる器の形が違うのだから。

しかし、この痛みを伴う関係は続いている。
時に助けられながら。
多分、彼の方が痛いはずなのだ。
不思議な関係。
その痛みは、しばしば届いてくる。

彼には幸せになって欲しいと思っている。
それを通して自分も幸せになろうと思えた。
ずいぶんと彼には救われたものだ。
まだこの胸に彼の痛みがある。
恐らくまだ彼にも僕の痛みがある。
この痛みがお互いになくなる日が来たら、
改めて友達になりたい。

そんな人間が、居る。
感謝。


Jade |MAILBBS

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