罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
朝が怖い。 光が怖い。
朝は、光が世界を覆い始める時は、 僕の中に居る虚無が支配するから。 確実に起きて居られるのは無機質な心。 そして憎しみに似た、烈しい感情。
何にしろ、傍観する事しか出来ない。 流されかけながら、弄ばれる。 止めてくれと叫ぶ事も …考える事すら出来ない。
夜が近づくにつれ、 虚無は光の向日に消える。 戦いに疲れた兵士のように。 僕は倒れ込みたくなる。
どうして意識がある? 最小限の効果しか無い抵抗をさせて。 僕も狂ってしまいたくないと言えば嘘になるくらいに。 悲しい思いを引き出さないで。
朝がまた来る。 僕の中の堕天使が。 光を拡げ。 暗闇を蝕みに…。
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