続・無気力童子の紙芝居
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2009年01月31日(土) いまいち

思考はくるくる回転しながら 
頭のてっぺんから螺旋階段のように真っ暗な夜の空へ向かう
プロペラほど速くもなく、穏やかな日中の風見鶏よりはリズムよく

私は 一秒一秒 死ぬために生きていて
周りにある無数の命もまた 死ぬために生きていて
世界は少しずつ回って 変わって 
乾いて 濡れて

自分を見て欲しくて妄想に悩む振りをする女と
自分を見て欲しくて狂言自殺を繰り返す青年と
自分を見て欲しくて自分の生臭い過去を曝け出す少女と

わたしはそのいずれにも 求められてはいないから
足を止めずにコツコツ歩く
「だれか だれか」
という言葉の指し示す人間は 青年にも、少女にも ただ一人で 
「君」に見て欲しいの 「君」に愛されたいの
彼らの狭い視界には、ガラス球に映ったような歪んだ世界
「君」しかいないの 「君」なら分かってくれるでしょう?
けれども長い目で見れば それは誰だっていい

そのとき、たまたま「だれか」が君だっただけ
だから心配いらない
見捨てたっていい 
踏みにじったっていい

君じゃなくたっていい
あなたじゃなくたっていい

私じゃなくたっていい

誰でも。
大木の葉が一枚ずつずれて茂っても気にならないでしょう?

君は
今まで持っていた肌触りの良い毛布を失ってしまって
代わりに手ごろな布を巻きつけてみたけれど
なんだか物足りない
でも これはこれでいいかな と 思い始める
段々と なじんでくる
段々と 君の匂いがしみこんでいく


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