J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2005年12月05日(月)    一千年の夢一夜

J (3.秘密の恋愛)

11. 一夜の夢 (6)


俺たちは、ひとつになりたい、んだろう!

この今は、そのためにある、んだろう!

この先一千年の時を過ごしても、
もうこの今は二度と訪れない、この時、この夜、なんだ。
運命の綾が不条理に交わって生まれた今宵、一千年の夢一夜、なんだ。

垣間見た現実にうろたえてどうする?
クドウジュンイチよ、、。

私は現実存在としての自己を打ち消すように、
こう自分に言い聞かせた。

しかし、その迷いはレイにも確実に伝わったのだろう。
レイの炎はさらに鎮まってゆくように、
私には感じられていました。


一瞬垣間見た現実の私たち。
私とレイの関係。

恋人関係でもなく、婚姻関係にあるわけでもなく、
ただの上司と部下。
まして私は妻子ある身。

人目を忍ばなくてはならない現実。


だけど、。
だけど、好きなんだよ、、。
愛してるんだよ、、。

運命が、現実が、どうあったって!
どうしようもなく、好きで好きで好きで、好きなんだ、、よ、、。
愛して愛して愛して、愛しているんだ、、よ、、!

だから、。
だから、この今、だけは、。
レイとふたりひとつに結ばれたい、、。

一千年の夢一夜。。

・・

エレベーターを降り、私たちは部屋の前へ。
私はキーを挿し入れドアを開ける。
さも当然のように部屋に入ろうとする私に、
レイは何かを訴えようとしました。

が、。
私はその素振りを無視し部屋の明かりを点け、
レイを部屋の中に導きいれ、、
かちゃりとドアを閉めた。

、、ラブホテルの密室にふたり。


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