J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2005年12月01日(木)    たとえそれが一夜限りの夢であったとしても。

J (3.秘密の恋愛)

11. 一夜の夢 (2)


この時の私は、、。
ただひとりの男としての本能が私を支配していたのです。

好きで好きでたまらなかったレイ。
そのレイとこれからひとつになる。
私はレイの肩を抱き、無我夢中の境地でした。

レイも、。
きっとそうであったに違いありません。
身も心もすべて私に預けるように、
何も言わず私に導かれ歩いていました。

私たちは上司も部下もない。
ただの男と女、でした。


私たちにはこれまで越えられない一線がありました。(参照こちら
それは超えてはならない一線でした。
あと一歩踏み出せば掴める互いの望みを、
直前で見ながら立ち止まっていた私たちでした。

しかし。
私たちはその一線を超えることを望みました。

たとえそれが一夜限りの夢であったとしても。
たとえそれが最初で最後の一度きりであったとしても。

私たちは思いを遂げてひとつに結ばれることを望んだのです。

愛という名の真実を確かめあったその夜、
心と心、魂と魂、そして身体と身体の結合を望んだのです。

・・

裏通りのホテルのネオンを見た時、
レイは頭を私の胸元に凭れかけました。

すべてを委ねるようにして。

私はレイを強く支えて、
より一層ぴったりとレイと寄り添いました。

大丈夫だよと言うようにして。


そして私はこの時気づきました。

“私自身”がもう、猛ていることを。。


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