J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2005年01月10日(月)    実は、、。通夜に来たんです、彼。

J (3.秘密の恋愛)

9. これからのこと (7)


そうだ。
あの時の友美さんと今のレイは同い年なんだ。
21歳。

私は21歳の友美さんをあの花火の夜に抱いた。(参照こちら
まだレイと出逢う以前のあの晩に。

3年違いに生まれたレイと友美さんは、
3年違いに私の前に現れて、
私はそれぞれ彼女らの同じ時に彼女らを愛しているのだ。


ああ、そして3年。
3年で君をものにしてやると言った私。
3年経ってものになったレイ。
そのレイは3年したら実家に帰るとの、親と交わした約束があったと言う。

先に生まれた友美さんは私と結婚をし、
後から生まれたレイは私から去ろうとしている。

生まれてきた順番。
これから始まる運命。
いったい私を取巻くこの連鎖は何を物語っているのだろう。

・・

「しかし、実際に君の場合には、その、、お父さんが心配するような、
 悪い虫がついている訳ではないのだろう?」

私は自分と友美さんとの過去を思い出しながら、
そんな言葉をぽろっと口にしました。

レイには彼氏はいるが、だがそれほど深い関係ではない。
そう聞いていたからの言でもありました。(参照こちら


「それは、、そうなんですけど。でも。」
レイは口篭もるように答えた。

「でも?」
「ええ、でも。実は、、。」

それはレイにとってあまり言いたくないことのようでした。
私に話したくないこと。
私に知られたくないこと。
そのように私には感じられました。

「何、言ってごらん。聞かなくちゃ相談に乗りようがないじゃないか。」

私はしびれを切らすようにレイを促す。
レイは困ったような表情で私を見据えて、、。
思い切って言いました。

「実は、、。通夜に来たんです、彼。」



、、、え、


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