J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年11月08日(月)    私はまだ信じたい、これから始まる運命、、

J (3.秘密の恋愛)

8. 誤解 (19)


(私の気持ち、分かっていない・・・)

ああ、この言葉はあの晩も聞いた言葉、、。(参照こちら
ふたりで過去の気持ちを確かめあった大阪の夜。
レイは同じ言葉を私に投げかけたのだった。

だがね、レイちゃん、それは3年前の話、だよ。
今更何が始まるものでもない。
君だって、そう、過去形で話したことじゃないか。
だから僕は。
君への恋愛の情を打ち消そうとしてきたんだ。

3年振りに火が噴くように心から出てきた君への想い。
過去の遺物のようなこの感情を沈めるために、
どれほどか僕は強い精神力を費やしてきたか。
君こそ、、僕の気持ちは分かるまい。

だからこそ、。
あらぬ誤解は持たれてはならないのだ。
誰にあっても、どんな場合にも。

だが、君の気持ちって、、!?

・・

「、、君の気持ち、って、言ってもね、分からないよ。分からないが、、。
 だけどね、僕の考えていることも君は少しは分かって欲しいと思うよ。
 僕は君のために、そう言っているんだ、あらぬ誤解をされないようにね。」

「工藤さんの考えていることは、分かっているつもりです。
 だから、、。だから、私だって、ずっと、ずっと、我慢してるんです。」

我慢、、!

私ははっと息を飲む。
レイは少し目を潤ませて、、話を続ける。
「私は、、誤解されていてもいいの。あえて否定したくないの。だって、私は、、。」

そこへタクシーが来る。
レイの話は、(だって、私は、、)のまま途切れてしまう。
だって、私は、って、なんなんだ。
我慢、って、いったい、君は、、。

「あ、、っと、もう行かなくちゃ、。レイちゃん、いずれにせよ、僕の言う通りにして、ね。」

私はそう言いながら、タクシーに乗り込む。
しかし、レイは首を振って、頷かない。

ちっ。
しようのない奴だな。
どうすればいい。

「わかった、話はまた今度、ゆっくり聞こう。ね、いいね。」


運転手が行き先を聞く。
私は、駅まで、と伝える。

レイは言う。
「工藤さん、だって、私は、。」
「何?」
「私はまだ信じたい、これから始まる運命、、」
「え、、?」

「お客さん、いいですか、?」タクシーの運転手が聞く。
「あ、はい、。」と私。

タクシーのドアがしまる。
車が走り出す。

レイの姿が小さくなる。


これから始まる運命、、!


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