J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2004年08月22日(日)    8. 誤解

J (3.秘密の恋愛)

8. 誤解 (1)


レイの姉の旦那というのはまだ30前に見えました。
33歳になる私からするとまだ若々しく軽かった。
見知らぬ人たちの中で話し相手のいない私にとっては、
気を緩めることができる相手であって少しホッとしました。

車に近づくとレイの姉の旦那は、
「あ、どうぞ、工藤さん。こちらに。」
と向こうから声を掛けてくれました。

「あ、すみません、えっと。
 レイちゃんのお姉さんのご主人さん、ですよね?」
「はい、島田、と言います。さ、どうぞ乗ってください。」
「じゃ、お世話になります。」
と、私は後部座席に乗り込んで。

「他には、誰か?」と私が聞いて。
「あと、僕の嫁さんとレイちゃん、。
 けどレイちゃんはお父さんたちと乗るのかな、分かんないです、」
「ああ、そうですか。」

「お墓は近いんですってね。」とまた私が聞いて。
「5分位って言ってましたね、。
 もっとも僕も知らないんです、付いてゆくだけだから、」
「ああ、そうなんですか、。」

そのうちにレイの姉とレイが来て車に乗り込む。
必然的にレイは私の隣りに。

乗り込みながらレイの姉が私に挨拶と礼を言う。
私も儀礼的な挨拶をして。
すぐに車は走り出しました。


車中もっぱら話すのはレイの姉夫婦であって、
私とレイはその話を聞いているだけでした。

ですが。
レイが隣りに座っていながら特別話すこともなく、
微妙に緊張感があったのも事実でした。

普通に話せない、そんな私とレイだったのです。


何かを意識して。


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