J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年02月14日(金)    私は純一さんの中で生きるの。

J (2.結婚)

3. 結婚式 (3)


私はその後、駅で友美さんと待ち合わせをしていました。

結婚式場に行き最終の打ち合わせをするためです。

打ち合わせと言っても詳細はすでに決まっているので、
内容の最終確認をするだけのことでした。


友美さんは打ち合わせの後、
式場の美容室でかつらを被るために髪をセットしました。
(何ていうのかは知りません。ともかくぴしっとセットしてました。)

私はその間式場のロビーで所在無く待っていました。



髪のセットが終わった友美さんはちんちくりんな頭になっていました。

友美さんは恥ずかしそうに、「ヘンでしょ?、」と聞きました。

私は内心ヘンだな、とは思いましたが、
「でも、明日、かつらを被るためのヘアーセットなんだもの。
 しかたないじゃん。気にしない、気にしない。」
と言いました。

友美さんは、「ウン、」と頷きました。



私たちは喫茶店に入りしばらく話をしました。
明日の今日です。話はいくらでもありました。

とは言っても、いつもどおり私がだいたい話して、
友美さんは微笑んで聞いていることが多いのですが。


何かを決めるときはいつでもそうでした。
私が黙ると友美さんも黙ります。
じっと次の私の言葉を待ちます。
友美さんは決して自分の意見を言いません。

私はいつでも友美さんをリードしてあげて、
友美さんはいつでも私の後を歩く、
そんなふたりの間柄が定着しつつありました。

+++


私はある晩ベッドの中で友美さんに聞いてみたことがあります。

君はなんでも僕の言う通りがいいというけれど、それでいいの?


友美さんは甘えたように答えました。

私は純一さんの中で生きるの。それでいいの、、、。


+++

友美さんは私の世界の中で生きることに幸せを見出した、

私は、その時はそう解釈をしておきました。


しかしそれは結婚後、私にとっては重圧になることもありました。
何故なら、私はいつでも私の世界の中に、
友美さんの過ごしやすい世界を作っておいてあげなければならないからです。

どんな時も。

どんな時も。



ですが、その頃は、
つまり結婚を控えたこの時期は、そんなことは感じませんでしたが。

私はそんな友美さんを愛しいと思い、
ただ愛することに魂を燃やすことを誓っていたのです。


何でかって言うと、(何度も書きましたが、)


私にとっての友美さんは、婚約者、というだけではなく、

私の子どもを生んでくれる人、

そして、、、

私と共に、その子どもを育ててくれる人、

私はそういう認識を友美さんに持つようになっていたからです。


恋愛や結婚とは次元の違う特別の存在者、

それが妊娠を境に私の中に生まれた友美さんの存在認識でしたから。



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