J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年02月08日(土)    なんと哀れな悲しい一人芝居であったことよ!

J (2.結婚)

2. 引越し (11)


酒の席での結婚談義。

鏑木さんの結婚生活についての面白おかしい話から始まって、
私と友美さんの馴れ初めだとか、友美さんのどこに惚れただとか、
鏑木さんに結婚の相談して随分世話になったこととか、
矢崎も結婚の予定があるとか、理想の結婚はどうだとか、

次第に酔っ払って、、、

レイに彼氏がいるとかいないとか、結婚するのは遠い先の話だとか、
宮川は彼女をなぜつくらないんだとか、レイちゃんなんてどうだとか、
そんな話はいいでしょうと憮然とする宮川を面白がったりして魚にしたりとか、

さらに酔いは深まって、、、

年上がいいとか、年下がいいとか、いや、同じ年代がいいとか、
誰某はどうだとか、彼其はどうしたとか、
あそこの夫婦はこうだとか、どこかの夫婦はこうしてるとか、、、


尽きることなく話題は右左に脱線し、

面白おかしく語り繋がれては再び本題に帰り、

最終的には結局、

私と友美さんの結婚の話題に戻るのでした。


、、、


私は正直言ってレイの前ではその種の話はしずらかった。

レイはきっと不愉快なはず。


私と友美さんとのこの新居にレイがいる、
そのこと自体、レイにとっては居心地が悪いのじゃないか?


私はそんなふうに思って、ちら、ちら、っとレイをみました。


が、、、

レイは一向にそんな素振りもなく、

ただみんなの話に加わって楽しそうに談笑しているのでした。



そうしたレイを見て私は物足りない思いに駆られました。

少しくらいやきもちのような感情を、
レイに持って欲しくもあったのかも知れません。


なんとも、なんとも身勝手な私のこの感情です。


そして、、、

私の心は反対の方向へと揺らぎ始めたのです。



レイは私のことなんか、何とも思ってないんだ!

私のレイへの恋愛感情は、まったくの片思いなんだ!



レイに寄せた切ない私の恋愛の情、

レイを思って狂おしいばかりに揺れ動いたこの私の魂、

なんと哀れな悲しい一人芝居であったことよ!



アルコールは私を自暴自棄にさせ、
ついには思ってもいないことを口走るのでした。


「レイちゃん、君はトモミさんに比べたらまだまだ子どもだ。
 ぜんぜんなっちゃない。君が結婚する時は僕がよしと言った時だ、ぞ。」


突然の私のこの言葉に一同、え?っという顔をして私を見ました。


レイは一瞬、哀しそうな顔をしました。



  < Pre  Index  New >    


INDEX+ +BBS+ +HOME+ 
この物語はフィクションです。

My追加

+他の作品へのリンク+・『方法的懐疑』(雑文) ・『青空へ続く道』(創作詩的文章)