J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年01月13日(月)    それ以来しばらく、私は性欲を感じなくなりました。

J (2.結婚)

1. 結婚前夜 (2)


友美さんの妊娠が確実だと聞かされて、
私の友美さんに対する見方は大きく変わりました。


友美さんにとっての私の存在は、
友美さんにとって、それ以前と変わらぬようでしたが、
私にとっての友美さんの存在は、
私にとって、それ以前とは別の認識を持ったのです。



私にとっての友美さんは、婚約者、というだけではなく、

私の子どもを生んでくれる人、

そして、、、

私と共に、その子どもを育ててくれる人、

私はそういう認識を友美さんに持つようになったのです。


恋愛や結婚とは次元の違う特別の存在者、

それが私の中に生まれた新しい友美さんの存在認識でした。


ともかく大切にしなくちゃ、いけない。
ともかく大事にしなくちゃ、いけない。
ともかくおだやかな気持ちで過してもらわなくちゃ、いけない。

ともかくいたわって、優しくしてあげて、守って、安心してもらわなくちゃ。


、、、私はそのことばかりに没頭しました。

レイのことはまったく頭から消えてなくなっていきました。



私は友美さんを大切にしなくっちゃ。
私は友美さんを大事にしなくっちゃ。

生まれてくる子どものために、、、



、、、それ以来しばらく、
私は友美さんに対して、性欲を感じなくなりました。

もともと友美さんも、
その方面はおとなしい人でしたので、特別に支障はありませんでした。



私は友美さんを大切にしなくっちゃ。
私は友美さんを大事にしなくっちゃ。

生まれてくる子どものために、、、



、、、

私たちのセックスレスの日々が続きました。



私は友美さんを大切にしなくっちゃ。
私は友美さんを大事にしなくっちゃ。

生まれてくる子どものために、、、



  < Pre  Index  New >    


INDEX+ +BBS+ +HOME+ 
この物語はフィクションです。

My追加

+他の作品へのリンク+・『方法的懐疑』(雑文) ・『青空へ続く道』(創作詩的文章)