J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2002年12月23日(月)    私は猛る思いを遂げました。

J (1.新入社員)

5. 記憶にない夜 (3)


夜の海岸の月明かりのもとで、友美さんを抱き締める私。

私には理性がなくなってしまっていた、、、


友美さんは目を瞑り、私のされるままにされました。


私は柔らかな彼女の身体を抱き締めて、

彼女の唇から首うなじへ、そして耳もとへキスをして、

彼女の髪を撫で、その香りに包まれるうちに、

私の身体は熱く、つまりそのようになってしまい、

無性に彼女を抱きたくなってしまったのです。



酒によって理性が飛んでいた、
そればかりの理由では決してなかった、

今思い起こすと、
私は、レイとのことがあって、心の動揺がそうさせた、
そういう理由からとしか説明がつかない、

その夜の友美さんに対する私の行為でした。



そこは砂浜でした。
あまりに見通しが良過ぎた。

私が彼女自身を無我夢中でまさぐり当てて、
いよいよもうその核心に触れようとした時に、
友美さんは目を開きました。

そして、「純一さん、ダメ、、、ね、あそこ、」と、言いました。


あそこ、、、

そこにはボートが重ねて並べてありました。
酔っていない友美さんは冷静に周りを見ていたのでしょう。

移ろう私の目にはぼやけて見えていた周りのことが。


私はそのボートとボートの間の陰に、
彼女を引きずるようにして連れ込みました。


そして、、、

私は猛る思いを遂げました。



友美さんはその時も、「ありがとう、」と言いました。

私も口癖のように「ありがとう、」と言った筈です。
記憶にはありませんが。



ただし、その夜に新しい命が生まれたのでした。

確かな交わりの証として。



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