J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2002年12月18日(水)    君を今夜、抱きたい、

J (1.新入社員)

4. 花火の夜 (9)


その友美さんが結婚前に私に身体を許したのは、
夏季研修の前の年の花火の夜でした。


その日私たちは友美さんの実家へ行き、
何度目かの冷たい仕打ちに合って、辛い気持ちに包まれていました。

「まぁ、なんとかなるよ、そのうちに、、、」

と、私は友美さんを励ましましたが、

私とても八方塞りで前が見えなかった、、、

(これが仕事だったら、もっとうまくできるのに、、、)

私は友美さんのご両親に信頼を得ることができず、
自分という存在に自信がなくなりそうになっていました。



その日は下町の川で大きな花火大会がありました。

私たちはあてもなく花火を見に行くことにしました。


何でもいい、華やかな気分になりたかったからです。


しかし花火を見ながら私はその美しさよりも、
その華やかさの短命さ、そのはかなさばかりを感じました。

どん、となって、夜空を一面に輝かせる美しい火の演舞、
けれど、それは一瞬にして燃え尽きてしまう、、、


私はとてもとても切なくなり、友美さんの肩を強く抱きました。

友美さんは私がじっと黙っていることが不安だったのでしょう、
私の腕の中に顔を埋め、
そっと、「好き、って言って、」と言いました。


私は、、、答えませんでした。


その代りにクチヅケをしました。


そして、私は、、、

「君を今夜、、抱きたい、」、と耳元で囁きました。



私は私に力が欲しかった。

そのためには彼女を抱くよりない、そう思ったのです。



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この物語はフィクションです。

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