「やっと二つ違いだ」
アイジは言った。 するとキリトは指を折って、 「3ヶ月だけな」 嘲笑に近い、微笑。 それを受けてアイジも、 「毎年言ってる」 そう、笑った。
和やかな。 それは、晴れた晩秋の昼下がり。 つけっぱなしのTVがBGM。
「もういい年だなぁ・・・いい加減親も煩いだろ」 「んー・・・でも俺、次男だし」 「あぁ、そうか」 呟いた声に、アイジの顔はほんの少し曇る。 けれどそれは一瞬のこととして過ぎ、 「っていうか、キリトの方が煩いんじゃないの?」 問い返した。 キリトはやはりほんの少しだけ眉を寄せて。 けれどそれもまた一瞬のこととして過ぎ。
「・・・どうだろうな?」
とだけ、答えた。
カーペットの上、二人きり。 ソファに寄りかかり、何気なく指を絡めた。 決して辿りつけない未来が、横たわる。
「あー・・・でも俺もそのうち結婚とかするのかな」 アイジの台詞に、つい指が解けそうになる。 だから。 誤魔化すように小さく笑って、 「するんじゃねぇの?案外すぐだったりしてな」 なんて言ってやる。 そしたら。 アイジはその指先に俄かに力を込めて、 「それ、嫌味のつもり?」 どこか、怒ったような声音。 キリトは急に所在無くなって、そっぽを向くと、 「別に?」 言って、サイドテーブルの煙草を引き寄せた。 と。 鳴り出した、アイジの携帯。 「もしもしー・・・?」
くゆる紫煙。 まだ、指は解けない。
「え、マジで?うん・・・うん。有難う!超嬉しいー」 「・・・」 「あー・・・うん、解った。行くー。7時ね。オッケー」
二本目の煙草に、火をつけた。 半分の長さになった頃、アイジが携帯を置く。 つい。 指を、繋ぎなおした。
「淋しがり」 「うっさい」
横たわった未来に、負けそうになる。 例えば奇麗事なんかを並べてみたりしても、結局。
泣くのは、目に見えてる。
「誕生日パーティーやるって。7時から」 「ふーん?」 そっけなく返事をしながら、キリトはつい時計を見る。 その横顔に、アイジは、 「あと・・・3時間あるね」 告げて、繋いだ手を引き寄せた。 キリトはあえて、 「・・・だから?」 問い返してやる。 アイジはしかし、笑顔を崩さないままで、 「プレゼント、先に貰っておかないと」 キリトは俄かに考え込むような仕草をしてから、 「・・・ねぇぞ、そんなもん」 と、含み笑い。 「うっそ。毎年貰ってる」 覗き込んできたアイジの顔は、やはり笑っていて。 キリトはただ、 「ばーか」 とだけ言って、目を閉じた。
望まれる未来は。 今年もまた、保留。
おわり。
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時間が出来たらちゃんとアプします。 ・・・多分(えー!?
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