
鯉吉川の川辺を歩いている時に 一人の少女に出会った
彼女の年齢は小学校5年生か6年生くらい ジャージにトレーナーという格好から見てまさしく近所に住む子供だろう
鯉吉川には、所々、川の中にブロックが置いてある場所がある そのブロックは浮島みたいに点々と置かれ、橋の様な役割を果たしていて 子供たちがその上を行き来したり、大人も結構楽しんで歩いたりする その上で、彼女は身体を前に曲げ、腕を精一杯伸ばしていた
彼女が手を伸ばしたい先には、点々とごみが散らばっていた どうやら彼女はそのごみを取ろうとしているように見えたのだけれど どう頑張っても届かない場所にあるから、川の中に入るかどうか思案しているようだった どうしたのかと声をかけると、彼女は言った
「勉強道具だから拾ってあげないと」
よく見ると、ごみには小4問題集とかかいてあって どうやら、小学生の参考書のようなものだった 俺は彼女に落としてしまったのかと聞いたら、私のではないと答えた
自分が落としたものではない でも、名前が書いてあるし大事なものだろうから拾って届けてあげたい
そう話す彼女の顔は真剣そのもので、どうにかしてそれを拾い集めなければと言う使命感に燃えていた 実際に対岸には彼女が拾ったそれらの切れ端が数点置いてあった
俺には、どう見てもごみだった 多分、年度末で要らなくなった教科書類をひとまとめにして資源物として捨てようとしたと思われる、そんな形跡として、紐にくくられたものもあった でも、彼女から見ると、やっぱり大事なものなのだと思う
俺は、彼女に「偉いな、よく頑張った」と言った
それ以上のことは言えなかったし、何も出来なかった そういう時、どうしたらいいのか・・・ 俺にはわからなかったし、今も・・・わからない おまえには、わかるか?
大事なものは、年齢によって変わってゆくんだなってことを改めて感じた
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