hazuki's diary

2010年06月30日(水) ばあちゃん

水曜日の話し・・・
この日は午前中は風が涼しく感じたけれど
午後になると日がさして一気に蒸し暑くなった

俺が家へ帰ってきた頃も・・・
ムシムシベタベタの梅雨特有の空気に辺り一面包まれていた
バス停からの数百メートルを歩くだけでも汗が出て
それが一切乾かない・・・そんな暑苦しい午後だった

大通りから角を曲がるとすぐに家が見える
で・・・家の前にあるブロックの端に
何故だか見知らぬばあちゃんが座っていた

「こんにちは」

声をかけるとばあちゃんは顔を上げ

「散歩してたら道を間違えちゃって
 橋の近くの家なんだけど、もう腰が痛くて」

と言って、辛そうに腰をさすった
どうやら天気がいいから散歩に出たものの
いつも歩く鯉吉川の遊歩道を外れたら
住宅街で迷ってしまったらしい

俺は、ばあちゃんにこのままちょっと待っているように伝え
麦茶を二つ持ってきて、ばあちゃんの横に座った

暑い中散歩してたばあちゃん・・・
ペットボトルも何も持っていなかったから
脱水していてもおかしくない
麦茶を勧めると、ごくごくと半分ほど一気に飲んで

「生き返った」

小さな目をさらに細くしてにっこりと笑った
それからしばらくの間・・・ばあちゃんの話をきいた

4年ほど前に引っ越してきたこと
それまでは、車で30分ほどのはばたき湖の近くに住んでいたこと
息子の嫁さんが長く警察に勤めていて
二人の孫は殆どばあちゃんが育てていたこと
その孫も結婚して孫の嫁さんは中国人だってこと

ばあちゃんの持ってる歴史を聞くにはほんの15分では足りないけれど
それでも、一通り話して、麦茶も飲んで、ばあちゃんは立ち上がった
俺は「家まで送ってくよ」と言ったのだけれど

「この歳になると一人で歩くのも仕事だから頑張って帰る」

そう言って歩き出した
ばあちゃんは、多分90歳くらい
今度来るときは自分の作った野菜を持ってくるって言ってた

ばあちゃん、家に帰り着いたか?
野菜は持たずにでも、また来いよ


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 拍手をここにも置いてみた・・・思う存分使ってくれ



LM 葉月 珪 [MAIL] [HOMEPAGE]