hazuki's diary

2006年04月22日(土) 目覚めた時・・・(SSS)

そこは真っ白な場所だった・・・
いや、本当は・・・色があったのだろうと思う
でも、俺が認識できたのは・・・白い景色だけだった

その中に・・・おまえがいた




「ちょっと、大丈夫?!」

白い景色の外側から・・・微かに聞こえてきた声
ガクガクと揺らされた身体・・・、俺は目を見開いた
目の前に不安そうなおまえの顔・・・右を見ると壁、左は机

「俺の・・・部屋か?」
「そうだよ、どうしたの?
 そろそろ起こそうと思って上がってきたら
 うなされてたから、びっくりした」
「どうしたって・・・」

俺は・・・夢を見ていた
夢の中のおまえが・・・俺に言った
「もう一緒にはいられない、さよなら」と・・・
俺は・・・遠ざかるおまえの背中を見つめて一歩も動けなかった

「悪い夢でも、みたの?」

心配そうに覗き込んだおまえが・・・俺の額の汗をタオルでぬぐう
俺は・・・近づいてきたおまえを引き寄せて、抱きしめた

「どうしたの・・・」
「なんでもない・・・こうしていたいだけだ」

説明なんて出来なかった・・・ただ、目の前のおまえを抱きしめたかった
そして、おまえがそこにいるって事実が・・・欲しかった

「苦しいよ〜」

少し・・・おどけておまえが言った
俺は腕の力を緩め・・・顔を覗き込んだ

「なあ・・・」
「なぁに?」
「俺のこと・・・好きか?」
「うん、好きよ」

頷いたおまえの頬に・・・右手を触れた
伝わる温もりが、俺の心に広がってゆく・・・

「もし俺が・・・中身が違う奴だったらどうする?」
「え〜?どういうこと?」
「見た目は・・俺、でもな、目覚めたときに別人になってたんだ」

おまえは・・・くすっと笑うと、肩をすくめた
そして、首をかしげ・・・思案顔を見せるとこう言った

「困るな〜私の大事な彼じゃないと、困っちゃうなぁ」
「ん・・・困るのか」
「そうだよ、外見じゃなくて中身が重要でしょ?」

そしておまえは、俺の手をぎゅっと握った

「戻ってきてくれないと、困っちゃう」
「そうか・・・じゃ、呼んでみろよ、そうすれば戻ってくるから」

おまえはにこっと微笑むと俺の耳元に顔を寄せた
そして・・・俺の髪を撫でながら・・・俺の欲しい言葉をくれた

「珪」
「ん・・・」

俺は・・・愛しい人を抱きしめる
このまま・・おまえの身体を腕の中に閉じ込めておく事は出来ないけれど
それでも、心は・・・ずっと抱きしめている

「なあ、もっと名前呼んでくれ」
「葉月くん、珪くん、王子〜 ぷっ、あははは」

王子と呼んで・・自分で吹き出してしまったおまえ


もう さよなら なんて言うなよ


おまえには聞こえない・・・俺の声
俺は・・・・ようやく「夢」から覚めた・・・

「ねえ、珪」
「ん?」
「私の名前も呼んで」
「ん?ここで?」
「うん、いますぐ!」

目を輝かせるおまえのために・・・俺はこういった



「愛してるよ・・・俺の大切な姫」



END


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LM 葉月 珪 [MAIL] [HOMEPAGE]