hazuki's diary

2005年06月28日(火) 浴衣のおまえ(SSS)


もうすぐ・・・夏が来る
おまえと一緒に過ごす夏が来る

「それでね、浴衣やっぱり新しいのをね」

電話の向こう
弾んだおまえの声が聞こえる

俺たちが付き合って二度目の夏
高校の頃から毎年のように出かけている花火大会
今年ももちろん、そんな話をしている俺たち

「おまえの浴衣・・・ん・・・・」
「なぁに?」

「いや、今年は少し色っぽく」
「え?色っぽく?」

「ん・・・」

俺の脳裏に・・・おまえの浴衣姿が描き出された

今までより少し大人びたおまえは・・・
古典的な和柄の浴衣を着こなして
浴衣と同じ色の髪留めで
綺麗にまとめられた髪に・・・・少しの後れ毛

そして後れ毛を気にするように・・・細い指先が
妙になまめかしく白い首筋を際立たせていた
そんな妄想に駆られた俺は・・・つい

「ついでに・・・足元がちょっとはだけてたりしたらいいな」

って口を滑らせた

「え〜?!」
「あ・・・いや・・・」

って言い訳するまもなく・・・おまえは

「珪くんのリクエストは何でそんなにオヤジっぽいの〜?」

そういってけらけらと笑った

オヤジっぽいのか
そういわれて自分でも自分の妄想が可笑しくなった

「珪くんの頭の中にあるのって
 縁側にすわり、ぶたの蚊取り線香
 うちわで静かに扇いでいる
 髪は後れ毛のあるアップスタイル
 ガラスに入った冷酒にほろ酔い・・ってとこかな?」

そう言われるまま、そのままを頭に思い浮かべて
俺は電話なのに、つい頷いていた

「ん・・・まさにそのとおり」
「あははは、相変わらずなんだから、もぉ。
 まぁ、そこまではできないけど、それなり〜に頑張るね」
「ん、期待してる」

そして、とりとめのない・・・いつもの会話
何も変わったことなんて無い・・・・
特別に愛を語るわけでもない・・・俺たちの日常

こんな時間だから
俺は・・・おまえと一緒に過ごしたい


相変わらずオヤジっぽくて
相変わらず、少し奇妙な俺

そして
相変わらず・・・俺はおまえを愛してる



END


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 拍手をここにも置いてみた・・・思う存分使ってくれ



LM 葉月 珪 [MAIL] [HOMEPAGE]