| 2004年04月18日(日) |
放課後の雨(主人公ちゃん視点SSS) |
「で、あるからして、この公式を当てはめれば」
氷室先生の授業はとても難しい もともと数学が苦手な私には ちょっとついてゆけない内容だったりするの でも、誰かさんは、そんな数学の授業を 寝ていて満点なんだから、すごいなぁ・・・
あれ? でも今日は眠っていないらしい 窓の外見てるみたい、なんでだろう?
そんな風に見ていた私の視線と、振り返った彼の視線がぶつかった
(あっ)
って思ったけど、彼の見ていたのは私じゃなくて 私を通り越してその先の時計だった
(見ていたのがばれなくて良かった〜)
そう思う私と、少しがっかりしてる私が居る
チャイムが鳴って先生が出て行ったら、私の仕事は黒板を拭く事 ちょっと面倒だけど、日々の学園生活には欠かせないからね しっかり日誌も書かなくっちゃ〜
「じゃね!お先に」 「うん、また明日ね〜」
奈津実ちゃんが、早々に教室を抜け出した あ、廊下に姫条くん発見 イイなぁ、奈津実ちゃん これからラブラブ下校デートかぁ
ぶぶーな気分で黒板消しを右へ左へ そんな私の後ろから、誰かさんの声が聞こえた
「貸せよ・・・上のほう俺がやる」 「氷室先生いっつも上まで使うから、全然届かないの ありがとう、葉月くん」
「ん・・・その代わり・・・おまえに頼み」 「え?何?」
「雨・・降り出しただろ?」 「あ〜!また傘持ってないんだなぁ?」
「ん・・・正解」 「全くもう!」
そう言って私は葉月くんの頭をコツンと叩いてみた このくらいのことは、出来るんだけどなぁ 葉月くんも怒らないで笑ってくれる
きっと葉月くんは、私には頼みやすいんだろうな 私って変なとこ頼られちゃうことが多いんだよね 道端でお年寄りに道を聞かれるとか 散歩中の犬が嬉しそうに足にする寄ってくるとか そんな感じなんだよね でもまあ そんな私だから、葉月くんも遠慮していないなら、それは嬉しい
「雨の降りそうなときは傘を持ってきなさいよ!」
「解かった・・・次は必ず」
そう言って葉月くんは 黒板の上のほうからスミからスミまで綺麗に拭いてくれた 私は黒板消しクリーナーをゴーゴー言わせながら その様子を眺めてる
「クリーナー・・・俺がやるから、おまえ日誌書けば?」
「あ!忘れてた日誌日誌!」
葉月くんに見とれて日誌を忘れてた私は 慌てて席について日誌を書き始めた
クリーナーの音、ゴーゴーと本当にうるさい でも、教室に葉月くんと二人きり そう思うと、私の心臓のほうがもっとうるさいから クリーナーの音がうるさいのはちょうどいいの
「おまえさ・・・雨、好きか?」
日誌を書いている私の前の席に 後ろ向きで座った葉月くん そんなに、間近に居たら・・・緊張する
「俺は・・・結構好きだ」
そう言うと、彼はまた窓の外を見た 雨・・・好きなんだ だからもしかして濡れても平気なのかな? いつも傘持ってこないもんね よほど雨に濡れるのが好きらしい でも、それってやっぱり 風邪ひいちゃったりして、良くないことだよ うん、やっぱり傘は必要
そうか、今度雨が降りそうなときには 私が葉月くんの分も傘を持って来ればいいんじゃないの? そうだよ!そうしよう 傘を持ってきて 「ハイ、葉月くんの分」 って渡したら好感度UP?それっていいかも!
「なんだよ?顔がニヤニヤしてるぞ・・?」 「え?な、なんでもないよ、さーって、そろそろ帰りましょう」
二人で小さな傘の中、坂道を降りる 雨の日、私も好きかもしれない
ピンクのチューリップの傘の上で 雨粒が嬉しそうに踊ってる
(早く次の雨が降りますように)
そう願って天を仰いだ そうしたらまたいっしょに帰ろうね、葉月くん!
END
解説はオバサンの日記で・・・・・
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