Christmas Seed
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2002年12月13日(金) |
クリスマスローズ・その3 |
神の御子が誕生した時。 貧しい羊飼いの少女はみどり子イエスに 贈る物が何もありませんでした。 一面の雪の中で少女が途方に暮れていると、 天使が現れ、雪の中に純白の花が咲出ました。 一重のバラの形をした白い花を摘んで、 少女はみどり子に捧げました。
ヘレボラス・ニゲルはヨーロッパ高地が原産の植物で、 ベツレヘムに咲いていたのかというと疑問です。 けれど中東で生まれたキリストの教えが長い年月をかけて北上し、 北欧の再生する生命を祝う冬至祭と融合して生まれたのがクリスマス。 ヘレニズム文化の魔術的薬草の黒い根の植物が 清浄と救済の純白の花に生まれ変わったのには キリスト教文化の光のイメージが伺えて感慨深いものがあります。
高温多湿に弱いクリスマスローズですが、 日本でも夏は木陰になって冬は葉が落ちて陽のあたる 広葉樹の下などに植えておくと具合良く育ちます。 雪がほとんど降る事のない南国のわが家でも 盛り土をして水はけの良い植え込みの陰で夏越しをして、 信仰薄き東方の一暇人の庭にも みどり子に捧げるごとく真冬に白いクリスマスローズが咲きます。
(ナルシア)
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