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2007年08月19日(日) 吉田修一『悪人』

今週はお腹を壊して熱を出した。転職して1カ月。疲れが出たのだと思う。大宮の日赤に行って薬をもらい、その後実家に帰った。

最近、1週間があっという間に過ぎる。平日の生活をもっと、豊かにしたい。豊かというと難しいようだが、実はとてもシンプルだ。ご飯をつくって、本を読んで、お風呂に入って、夜更かしをせずに「おやすみ」と言って眠りたい。どうしてそんな普通のことができないんだろう。外食したり、朝風呂になったり、夜更かししたりしてしまう。それを、仕事のせいにする。でも今は転職する前よりも確実に、毎日の仕事がワクワクして面白い。がんじがらめだ。

ここのところ彼氏がずっとイヤホンをしたままゲームをしていて、2週間くらいたってそれが突然とても辛くなってきた。今日、「このまま1カ月続いたらちょっと辛い」と言った。なんだか涙が出てきたのでしくしく泣いた。こういう日もある。

マイナス思考が出てきたのは読書のせいかもしれない。吉田修一『悪人』を読んだ。傑作だ。しかし、後味のいい小説ではない。田舎の殺伐とした人や、風景を表した小説は、こたえる。私にとって、リアルだからだ。それでも最後のほうで、涙が出た。ここが作家の強調したい部分かは分からないが、私はここで泣いたので書いておこうと思う。多分こんなところで泣いている場合ではない。もっと深い。

「今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎったい。大切な人がおらん人間は、何でもできると思いこむ。自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。失うものもなければ、欲しいものもない。だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思いこんで、失ったり、欲しがったり一喜一憂する人間を、馬鹿にした目で眺めとる。そうじゃなかとよ。本当はそれじゃ駄目とよ」


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