今年花似去年好
WIPER! 泡茶日記



 "Cha" の国 "Tea" の国(黄金桂)

 今日はドイツ語の日。10分の遅刻でなんとか授業の最初から出ることができた。授業の中で、“いちばん好きな飲み物は?”という場面があり、私は中国茶と答えたかったが、単にお茶、Tee(テー)としか思いつかなかなった。
 ところで、お茶を示す言葉として、世の中には“チャ”系列と“ティー”系列の二つに別れるという。そしてそれらは、広東語の“Chaa”と福建語の“Te”から派生しているという説があるそうだ。どちらも茶葉の産地、茶葉の流通と共に、それぞれの呼び方も附いて行ったのかもしれない。ドイツのテー、英国のティー。茶、チャイ、…。
 だいぶ以前に読んだ沢木耕太郎の《深夜特急》の中で、チャの国々を通ってティーの国へ、みたいな記述があったように思う。アジアの東の端の東京から、ユーラシア大陸の西の端、ポルトガルのサグレスまで。それぞれの土地で、その土地のお茶を無意識のうちにも飲んで続けた旅でもある。私自身も、数年に渡って通い続けたアジアの旅、ミャンマーで、ネパールで、ベトナムやラオスで、いろんな場面でのお茶が思い出される。どこの地にも、味わった土地の茶と、人のやさしさの記憶がある。しかし、この何年か、国際情勢の不安定のあおりで、アジアの旅にも出かけることがなくなってしまった(中国・香港は別として…)。
 そもそも“茶”が使われるようになったのは唐の時代からのことで、それ以前は茶葉の採集時期によって呼び方が異なったらしい。たとえば、“荼”“茗”など(他にもいくつかあるが、日本語フォントにないので割愛)。育てて飲む《生産者=消費者》の茶が、唐代後半に、商品化《産地と供給地》の関係を広げ、遠方にも流通し、人々の間に喫茶文化として確立されていったとき、商品化された茶葉とその喫茶の概念が“茶”という言葉一つに集約されたのだろうか。
 かつて国際紛争まで引き起こした茶の魅力。私も当分その呪縛から解かれることもなさそうだ。

 今夜飲んだのは、中国茶6つの分類のうちの青茶に属す黄金桂。先日ペットボトルの黄金桂を飲んだが、揉然されて小さく丸まった茶葉を蓋碗(がいわん)で丁寧にいれて飲む時の、広がる香り、フレッシュだけど深みのある味わい。この味道はやはりペットボトルにはムリだよね。
(画像は、お湯を注いで蓋碗(がいわん)いっぱいに広がった2煎めの黄金桂の葉。ケイタイのカメラでとったのでわかり辛いが、青い茶葉のフチだけ発酵している青茶の特徴が見える。)


WIPER!'s Column Asia
アジアがブーム? ♯10 〜アジア、お茶の旅

2004年06月22日(火)
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