今年花似去年好
WIPER! 泡茶日記



 今年花似去年好(烏トン白葉)


 こんな雨のすっきりしない日は、お部屋に鳳凰單[木叢(ソウ)]の、金木犀のようなふんわり甘い香りを漂わせよう。気分やお天気、その日の食事など、さまざまな要因が、今夜飲みたいお茶を導く。残業+雨、そんなちょっとだけブルーな夜は、鳳凰單木叢のロマンティックな香りと味で静かなひとときを。実は今日は、父の命日でもある。J.S.Bachのゴルトベルク変奏曲のチェンバロの音と通りの雨の音が静かに時を刻む。

 今夜は鳳凰單[木叢]の烏トン白葉の後味にメントールのような清涼感を感じるな。アレ?先日飲んだときもそうだっけ?味覚って変るの?それともお天気でお茶の味が変るの?実家で先週末飲んだ芝蘭香は甘さの中に渋みが残り、この烏どん白葉はメントールのような清涼感が舌に残っている。また別の日に飲んだら、違う感じ方をするのだろうか。

 さて本日、正式にこのレンタル日記のサーバーお借りすることにしたので、タイトルも暫定的に使っていた“月日は百代の過客にして…”を“今年花似去年好”に変更した。
 “今年花似去年好”…唐詩選より、岑参(しんじん)という詩人の《韋員外家花樹歌》という歌の冒頭の句。《韋員外家花樹歌》は、「今年花似去年好 去年人到今年老 始知人老不如花 …………… 」今年の花は去年のそれのようにまた美しい。だが人は去年より今年、老いているのだ。そこで初めて、人は老い花とは違うのだと知る…みたいな句ではじまる七言古詞。なんか老いを考えさせられるような歌だけど、“今年花似去年好”という、今年の花もいいぞ!という気分と響きがなんとなく気に入り、タイトルに。老いも私はマイナスイメージではなく、去年よりまた進歩、という風に受け止めている。たしかにお肌もボディラインもくずれてくるんだけど、なんか精神は年々解放されてゆくような感じがするし、そして、いい意味で年を積み重ねて行きたいという願望もある。

 七言古詞は七言歌行とも呼ばれ、昔の中国では民間歌謡の歌詞にも使われたとか。漢の時代から起ったといわれているけれど、唐代の詩人たちがこの形式をさかんに使うようになったそう。たしかにこの七文字の詩、口に出すとリズムが自然に生まれる。周星馳(チャウ・シンチー)映画のファンの私などは、《唐伯虎點秋香》(邦題は詩人の恋だっけ?)という周星馳が演じる詩人が自分の歌をいまのラップ風に歌ったりする映画を思い出した。





●鳳凰單[木叢]烏トン白葉の茶葉
山地は広東省潮州市鳳凰山近郊烏[山東](ウートン)山

2004年05月19日(水)
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