いつ頃だったろう。 私は彼女の時間と想いと言葉に出会ったのは。
彼女に不思議を抱く。
私の今を。その時々を見守ってもらっているかのように。 私の今に語りかけてくる。 時には肩を並べて朝を待つように。 時には背中の向こうで笑って送り出してもらうように。 時には煎れたてのコーヒーを待っているように。 時には眠ることをこわがらないように。 時には雨上がりの水たまりにはしゃぐように。 時には涙の存在を思い出し安心するように。
見失ってしまった忘れかけていた余裕の隙間を潤してくれるのだ。
彼女とは何の接点もなく。言葉ひとつ交わしたことはないけれど。 きっと我がの歩幅を知っていて、誰かに合わせようともなく自然に。 彼女は言葉を紡いでは時間を紡いで彼女の日常を確かに生きている。
どこかでどこかで。つながっている。
彼女は私を知っていて。私も彼女を知っている。世界は狭いのだ。
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