そりゃあもう、がいにたまげたわいな。
単車で走りよったら、視界の端に 何ぞ動<いご>くもんが見えるがじゃもん。 近所の山道で写真を撮りよる間、 メットをその辺の石の上に置いといたがよ。 ほん時に入ったんじゃなぁ。
早う取らにゃとは思うんじゃが、単車ごと 転んだらいかんし、顔を咬まれたり どこぞに入り込まれたりしても 大事<おおごと>じゃけんの。 何せメットの顎の方には隙間があるけん。 走りながら顔を岩みたいに強ばらせて メットのシールドを開けて、革手袋しとったがで 恐る恐るじゃけど素早くつまんだら掴めたけん、 地面に放り捨てたわい。
あがいたまげたんは、原二で走りよる時に 首に当たったハチに刺された時以来よ。 あん時は刺したハチが襟元から服ん中まで 入ったけんねえ。
気が付いたら、そこいらじゅうの斜面が のりたまを振りかけたように色付いてきたのぅ。 山の方に静かでええ場所を見つけたけん、 今度昼寝しに行こう思とるんよ。 今日は近所の道の駅で、揚げたちのじゃこ天と じゃこカツを食うて戻ろうわいな。
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