英国人の彼女 6年間の遠距離恋愛の末、イギリスに嫁いできました。ロンドンで息子と3人で暮らしています。
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日曜の昼前。(未来日記の勢いですけど。ただいま月曜日。)
うちの職場の人主催のバーベキュー・パーティに招待されていて、その出かける準備をしていたところに電話の音。
ぱたぱたと駈けていく彼。電話に出る。最初不審そうで、そしてびっくりしたような嬉しそうな声に変わる。
やあ、どうしてるの・・・授業はどこまで進んだ?・・・本はどうなってるの?・・・実はこの前お袋が遊びに来てね・・・君とも一緒に行ったタンザニアの自然公園に連れて行ったよ・・・実は僕にいままで知らなかった異母兄弟がいるらしくてさ・・・
あまりにも個人的な会話。聞かない方がいいと思っても、耳に入ってきました。そして、彼に聞くまでもなく、すぐに相手がわかりました。
昔の彼女・・・
彼の歴代彼女の話は、概要だけ、聞いたことがありました。真剣に長期間付き合ったのはたぶん3人。タンザニアに一緒に行ったのは、確か二番目の彼女だったはず。一番長く付き合った彼女のはず。そして、この国に彼が赴任してからも、一度遊びに来ているはず。この家に。あのベッドに。
ごめんそろそろ出かけないと・・・うん、今度こっちから電話するよ・・・じゃあね。
「今度こっちから電話するよ」
彼の「○○からだったよ」との声に、わかっているくせに「○○って誰なの?」と聞いてしまいました。
「前の彼女。D国にいたときの。フランス語を教えながら本を書いていてね。7年前からずっと書いている本。まだ書いてるんだって。」
やっぱり聞かない方がよかったのに。こんなのばかばかしいと思いつつも、意味ないと思いつつも、過去に嫉妬してしまうのです。フランス語を話したり、本を書いたり、あなたの好きなタイプだね。わたしがピアノを弾いたり、絵を描いたりするのが、すごく気に入っているものね。
「ふーん。よく電話かかってくるの?」「いや、ぜんぜん。1年ぶりくらいかなあ。どうしたんだろうね、突然。別に用もないみたいだったけど。」「ふーん・・・」
なぜか泣きそうになってくる。
「どうしたの?もしかして気分を害してる?」「ん・・・別に。でもちょっとブルーかも。あ、もう出る時間やん。着替えてくる。」
彼が追いかけてくるのをわかっていて、バスルームに飛び込んでドアを閉めました。泣いたらあかん、泣いたらあかん、と、目頭に力を入れて、気合いもいれて、バスルームから出ると。
彼が立っていて、困った顔をしながら「どの服を着ればいいか、選んで。」と言いました。
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