GRATEFUL DAYS
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2004年06月11日(金) バラストの海

 なんか今日の自分の服装はOLっぽいなー、できる女に近づいたか!?と独りでふにふに浮かれていたら、友だちおもむろに一言。

「指摘するかすまいか悩んだんだけど、シャツのボタン掛け違えてるよ」

 モウダメポ

 閑話休題。
 先輩の劇団のワークショップに参加させて頂いております。あちこち劇団を渡り歩く根無し草でいたいのですが、なんか少しだけ根を張らざるを得なさそうでちと鬱。帰る場所は自分で作りたいのですよ。
 まあそれはさておき、今日はWSの一環で五分間スピーチっつーのをビデオカメラの前でやりました。テーマは「演劇と私の出会い」。大抵は三分間のところが何故五分間かというと、三分だと私が早口になるからなんだそうでo_ _)o 諸般の事情で欠席だった演出さんから、そのために伸ばしたんだから早口にならないようにと伝言を賜ってしまいました……。ま、結局早口だったのですが(沈没) 早口でぼつぼつっと喋っては数秒間ぐにぐにと落ちつきなく自分の手を弄んで沈黙し、またぼつぼつっと喋り。喋りたいことが多すぎてその上優先順位がつけられなくて、どれから口に出したらいいかわからなくなっちゃうのですよ。喋っているうちに、どの話題について喋っているのかもわからなくなるし。自分で自分の言葉に驚くこともしばしば。誰か聞き手になってくれる人がいれば、もう少しましになるのですけれども。
 思うにこれは、私の頭にバラストが詰まりすぎているせいだと思います。バラストってのは、意味のないセリフのことです。小学校高学年から高校にかけて、私はほとんどバラストしか喋らずに過ごしました。本当に言いたいことは頭の内にため込んだままにしていました。ためにためた言葉が蓄積するうちにそれすらばらばらに砕けて意味の通らない言葉に、バラストになってしまって、喋る機会を与えられた今、見境無く噴出しているのだと思います。にきびが炸裂するように。何度膿をしぼっても、一向に芯が出る気配はないのですが。あと、あんまりにもモノを覚えすぎているんだろうかとも思います。本の読み過ぎだろうかとも。実際はそんな、人に自慢できるほど物覚えが良いわけでも、読書家であるわけでもない並々平凡な人間なのですが。
 なんかもっと、喋りたいことを順序立ててきちんと喋れる人間になりたいです。早く人間になりたい。
 あ、最近演劇実験室天井桟敷の最後の公演「百年の孤独」のビデオを見ました。話はよくわからなかったけれど、本当に実験的な演劇をやっていたことはよくわかりました。寺山さんがご存命の内に演劇人になりたかった。生で見たかったなあ。やっぱり演劇は生ものだから、ビデオで見るのは変な感じがします。「百年の孤独」は舞台をサイコロの「五」の目のように配置し、間に座らせることでわざと観客が全体像を見渡せないように作ってあるのに、ビデオだとその効果台無しだし。いや、これはこれで良いのだけれどうわーやっぱり生で見たい。
「人間は中途半端な死体として生まれてきて一生かかって完全な死体になる」ってセリフが妙に印象に残っています。じゃあ完全な生体っていうのは、どんなんなんだろう。


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