家族進化論
Sawmen

banner

2022年09月26日(月) The night

【O先生のメルマガより引用】

「オレを殺してくれー」と福岡の屋台通りで僕が道路に寝転んで叫んでからもう約13年が経ちました。初めて会ったK先生との飲み会で酩酊状態となり、本当にみなさんにご迷惑をおかけしました。でもそのおかげで自分が知らなかった自分を知ることができました。

先週の水曜日にタレントの上島竜兵さんがお亡くなりになりました。僕は有吉弘行さんの大ファンなので、有吉さんの師匠でもある上島さんが亡くなったと聞き本当に驚きました。また日曜日にご自分の番組内で有吉さんが語った上島さんに対する思いは愛にあふれていました。お通夜や葬儀の際にも参列された仲間からも本当に慕われていたことも語ってらっしゃいました。

それだけの慕ってくれる人がいるのに何故?という思いと同時に、僕にはそういう手段をとってしまうことがあるかもしれないという思いも浮かび上がってきました。

人は自分のことを理解できません。特に責任感が強く一所懸命頑張っている人は気がつかないうちに自分が疲れていることが分かりません。最初は身体の疲れかもしれませんが、身体的疲労は確実に心をむしばみます。長年徐々に徐々にそうなっている場合は特に心の疲労に気がつきません。

「オレを殺してくれー」と言ってたことを翌日に教えてもらったとき、僕が最初に思ったことは「オレはそんなこと思ってたんだ」ということでした。酩酊状態の自分が言っていることだから本音なんだろうなとも感じました。

自分で言うのも何ですが、当時の僕の働き方は労働基準監督署に言えばうちの学校に指導が入ってしまうようなものでした。初めての学年主任を拝命して4年が経っていましたが、本当にうまくいかないことが多く辛い時間も多かったのだと思います。ですが忙しすぎて一つ一つの辛さを噛みしめる時間がなく、それらは静かに心に沈殿していったのだと思います。

また今から4年ほど前にもほとんど休みが取れない状態になりました。その時もK先生が「コイツ病んでんちゃう?」と心配して博多まで来てくださり、食事とお酒をごちそうしてくださいました。身体も心も疲れていたのですぐに酔ってしまいましたが、そのことで自分の状態を知ることができました。

人は自分のことを理解できません。新任の頃に比べるとそつなく仕事がこなせるようになる40歳代の頃は、学校での責任も重くなり、プライベートでも子供のことや親のことで考えることが多くなります。それが徐々にそうなるので忙しいのが当たり前になります。だから自分がどういう状態か気がつかないのです。

「自分は大丈夫」と僕も当時はそう思っていましたし、そう思わないと仕事が終わりませんでした。でも大丈夫じゃありませんでした。

いつもは若い先生方を応援することが多い僕ですが、上島さんのことがあってからは頑張りすぎている中堅やベテランの先生のことが気になりました。僕はたまたまK先生に助けてもらいました(4年前はK先生が気がついてくださったおかげですが)。ですが僕のように運の良い先生ばかりではないと思います。忙しくてそれどころじゃないと仰るかもしれませんが、今週末はご自分を思いやる時間にしてはいかがでしょうか。

もう十分頑張っていることは周りの先生方も分かっていますよ。


 ←潜水  目次  未来→


創 [MAIL] [TWITTER]

My追加