家族進化論
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2022年09月19日(月) 【引用】結果期待型 結果行動型

本校は今日から夏休みです。中学生は授業がないのですが高校生は普通に授業があっています。中学生がいない分静かなので何となく夏休み感はあります。

先生方は自分が生徒だった頃、夏休みの宿題は計画的にやっていた方ですか?恐らくそういった人の方が多いとは思いますが、中には8月30日31日は缶詰になって宿題をやってたっていう先生もいるかもしれませんね。

教師が計画的なのはいいことです。文化祭や体育祭、修学旅行など、学校行事は綿密な計画が必要です。だって、そうしないと教育効果も減るでしょうし、生徒達の安全も確保できないですからね。

トランスフォームマネジメント株式会社というコンサルタント会社の代表取締である役梯谷幸司さんの本には人間の行動パターンに「結果期待型」と「結果行動型」というのがあると書いてあります。「結果期待型」は条件が揃ったら行動に移すような行動パターンで、「結果行動型」はある結果を求めのために条件を自らそろえようとする行動パターンだそうです。僕は条件をそろえたがる「結果期待型」で、比較的自分の行動の見通しが立たないと実行に移さないことが多いです。

でも時々、条件をそろえたがることがデメリットになるときがあります。

「結果期待型」は計画的なので比較的安定的な日々を送れます。でも何かやりたいことがあっても、まず見通しが立たないことには実行に移せないので、やや瞬発力に欠け、とりあえず何かやって、経験から学ぶということが苦手です。

先月、僕の親友は教員を辞めて新しい職に就きました。新しい道で、今までとはまったく違った経験をしているようです。彼は学生の頃から行動力があり、海外留学くらいは当然のことで、一時期海外に住んでいました。海外でもいろんな職を経験して、本やネットでも分からないようなことを知っています。彼はやりたいことがたくさんあるので、条件が揃ってから行動していては時間が足りません。だから行動しながら色々なことを学んでいるのです。本当にすごい友人だと思います。

実は生徒の勉強方法にも「結果期待型」と「結果行動型」があります。より効率的に勉強しようと思って、勉強方法や評判のよい参考書をそろえることから始める生徒と、とにかく自分が何かやってから自分の勉強方法を見つける生徒です。「結果期待型」の生徒は一見効率的に見えますが、がむしゃらさやメンタルの強さが今ひとつで、自分の成績が伸びないときに、自分の勉強方法に自信が持てずに足踏み状態になることがあります。

一昨日、高校3年生の女子生徒から勉強に集中できないと相談を受けました。その生徒も勉強方法に迷っているようでした。女の子は男の子に比べて体力がないせいか、がむしゃらに勉強するということではやはり男子に負けてしまいがちです。言い方を変えると体育会系の部活で身体を鍛えていた男子生徒は、自分の体力にものをいわせて、夏に遮二無二勉強して何となくコツをつかみ、秋から冬頃に伸びを見せたりします。だから、その女子生徒には、まずは学校の勉強をしっかりやって勉強時間を増やそう、とアドバイスしました。

このアドバイスは幾つかの根拠があります。まず、学校の授業を軸にして勉強するとやるべきことがはっきりするので迷いが減ります。また授業はそれぞれの教師が知識を工夫を詰め込んでいるので自学自習よりも効果が高いです。そうやって勉強していない時間、あるいは集中できていない時間が減れば精神的にもある程度落ち着きを取り戻せます。今はこのアドバイスがうまく働いて、相談をしてくれた女子生徒が迷いなく努力ができることを心から望んでいます。

僕はICTを取り組んだ授業を訳も分からずやってきましたが、まだどうしていいかわからないことの方が多いです。でも取りあえず使ってみることで自分なりに分かったことがほんの少しあります。たぶんこういった経験は僕の財産でもあるのだと思います。

新しいことに要領を得ずとも直向きに取り組むべき時があるのは、生徒も教師も同じなのかもしれません。

今週も最後まで読んでいただき感謝!!


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