大藪先生のメルマガより引用
難易度を高くするための最も手っ取り早い方法は「量」を増やすことです。問 題数や英文の量が増えれば確実に難易度は上がります。ですから過年度比較をす るための模試では語彙数や設問量が一定になるよう基準が定められています。入 試においても各県や各学校にそのような基準があるのではないでしょうか。
量以外の質における難易度は客観的基が作りづらいのですが(以前も書いてい たことですが難易度に絶対的尺度がありませんので)、だからといって何も考え ず個人の思うままに作っていいかというとそうでもありません。大まかな考え方 としては、概念が難しい文法項目を設問にしたり、解答するためにはに幾つかの 知識技術の組み合わせが必要な設問は難易度が高くなります。
具体的に考えてみましょう。
概念が難しいとはどういうことなのか、時間に関しての概念を例に考えてみま しょう。時制(tense)は比較的理解しやすいですが、相(aspect)はなかなか理解 するのが難しいです。特に完了形や完了進行形は複数の時制にまたがる相なので 時間を点ではなく線で捉える事ができないと理解できません。点よりも線、線よ りも面、面よりも空間と高次元になれば難しくなるのは当然です。これは数学的 にも言えることなので難易度の客観的基準となりうると思います。
この完了形を線の概念から面の概念にするとさらに難易度が上がるというわけ です。ではどうすれば面に上がるのか?それは単純な知識を組み合わせることに よって複雑にし、より深い知識があるかを確認することです。例えば完了形で見 てみましょう。完了形の作り方(have + P.P)は理解できていても、どのような 場面で使えるのかまで理解できているかは確認しないとわかりません。そこで例 えば次のような問題を作ります。
例)次の日本語を英語にしなさい。 A:Let's have lunch together. B:ごめんなさい。お昼ごはん食べちゃった。
この時の「お昼ごはんを食べた」は Let's have lunch. (現在形)の受け答え として、過去の出来事が現在と関連している現在完了形を使わなければなりませ ん。しかもこの場合の日本語は一文だけ読んでも過去形か完了形かはわかりませ ん。ですからこの問題は現代日本語訳では違いが表れない過去形と完了系の本質 的な違いを理解できているかまで問う問題になるのです。
今週、僕は授業で第4文型の文を教えました。そしてそれを第3文型に変形する 作業もやらせました。授業ではMr.Smith bought his son a baseball glove.を Mr. Smith bought a baseball glove to his son.に変える方法を説明したので すが、どう使い分けるかも教えました。ですので基本的な変形の練習問題もやっ たのですが、次のような問題もやらせてみました。
例)次の日本語を英語にしなさい。 A: Ming was reading a novel on the train. It seems to be interesting. B: I saw her reading it, too. でも彼女は私にそれを見せてくれなかったの。
show A B は書き換えるとshow B to Aになると知っていてもこの場合にはどち らを使うべきかを知らなければ答えは書けません。この場合は代名詞を文尾に持 ってくることはできないという知識がなければ、But she didn't show it to me. という答えは書けません。つまりその文法を運用へのレベルまで引き上げること で別の知識が必要になり難易度が上がるということなのです。
このように概念的に次元の高い文法項目を問題にしたり、幾つかの知識が必要 な文法問題を作ることで難易度は調整できます。おそらく殆どの先生は自然とそ のような問題を作っていらっしゃると思います。ですが自分の問題が何故難しい のかを客観化することができれば難易度を段階的に調整でき弁別性の高い問題を 作ることが可能になります。
ご自分で作られた問題を分析して更に精度の高い(弁別性の高い)問題を目指 してみてはいかがでしょうか。
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