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管理日誌「庭園の午後」
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2000年11月29日(水) 作品レビューの第一回目について

オンライン小説サイト【THE GREAT GAME】(管理人・上下さゆ氏、代表作「月下残影」)のウェブ日記で、オンライン作品の辛口批評についての話が出ていたので、このところ興味深く拝読している。【午後の庭園】に作品レビューのコーナーを用意しているので、とてもタイムリーな話題であるのも注目している大きな理由。

オンラインでのアマチュア作品といっても、作品を一般に向けて発表したからには、辛口な感想や、酷評、ときにはイチャモンに近い苦情を送ってくる人もいる。レビューをやっているホームページでの、厳しめの批評やコメントなどは、穏当な部類。ここ【午後の庭園】で掲載していく予定のものなどは、なかでも特に穏当な部類だ。

とりあえずのサンプルとして、管理人のウェブ代表作である「カルテット」という長編ファンタジー小説(連載中)の自己判定記事を作った。これは今後、他の方の作品を評価するときに、この人はどれくらいの基準で読んでいるのかというのを知ってもらうためのものだ。(それからもちろん自作の宣伝も兼ねて。妙な話かもしれないが、管理人は自作をオンライン小説の成功例の1つと考えている。だってそう言う読者の人が定期的にずっといるんだもん。)

他の「成功例」について、今後レビュー記事を書いていきたいと思う。良い作品は無数にはないが、片手の指では足りない程度には存在している。管理人の遅筆レビューには、たやすく消化しきれないほどの数は充分にある。

まず第一回目の作品として考えているのは、【神々の黄昏】(管理人・樋渡ゆうぞー氏)の同タイトル作品。「神々の黄昏」、連載中の大長編SFファンタジー。

作者の樋渡氏と管理人はウェブ上で懇意なので、仲間内のエコヒイキと見られて、樋渡氏は迷惑するかもしれないが、そのような目は無視するのが正解。管理人は趣味でオンライン小説のネットワークにいるのであって、仕事でいるわけではない。だから付き合い上の苦しみもないし、興味のない人間とは仲良くする必要もなく、したいとも思わない。そして管理人が興味を持つのは、良い作品を書く人間、面白い人間だけだ。これは読者の視線にとても近い基準であると思う。

樋渡氏の作品を読みはじめたきっかけは、そもそも、こういったレビューを擁したホームページの企画をしたことだった。良い作品を求めていたのだ。オンライン小説サイトの運営をはじめたのも、大本はオンライン小説のネットワーク内の潜入操作的なノリであり、その世界の中の1人としてコミュニティを眺めることで、オンライン小説としてバランスのよい作品とはなにかを、消極的ながら模索してきたつもりだ。

今まで何作かオンライン作品を読んだが、樋渡氏の「神々の黄昏」が、管理人の考えるオンライン小説の1つの到達点だと感じたので、レビュー第一回目の作品に選んだ。実際のレビュー記事のアップはまだ先になるが、紙の原稿のほうはもう何作ぶんか上がっているので、ご期待いただきたい(^_^)

最初に話題にあげた【THE GREAT GAME】のウェブ日記での批評についての意見、たいへん面白い。酷評と絶賛、両方を浴びてはじめて書き手は一人前になるというのが私の意見なので、私の批評にはその両方が書かれている。どちらが欠けても、書き手は一人前にならない。自分の作品のどこが悪いかはわかっても、どこが良いかは、本人には見えにくい。作品から悪い部分を取り去ることも重要だが、これは比較的容易にできる。しかし良い部分を足すのは非常に困難だ。他人の助力がもっとも必要な作業だと言える。

作品を誉めることが、作者をスポイルすると考える人もいるようだが、それは、実際には良くもないものを無理に誉めている場合、いわゆる「お世辞」のことを指しての話だろうか?

良いものを良いということを意識的に避けるのは、作品のあら探しをするよりなおのこと不心得な行いだと思う。誉められて育つものもある。良いものを書いたときに甘い言葉で誉められ、悪いものを書いたときに鞭で叩かれることで、作家には「良い小説を書くための条件反射」が身につく。作品の悪い要素を怖がり、良い要素に本能的な欲求を感じるようになるので、自然と上手くなっていく。誉められた経験が足りないと、アンバランスな人格になってしまい、結局は上達しない。

小説を書くことは苦行ではない。人生最大の楽しみ。自分の欠点というのは、克服して楽しむためにある。そのような価値観でレビュー記事を書こうと思う。これが管理人の初心である。

ネットワークは思索のネタに事欠かない。いい世界だと思う。


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