きまぐれがき
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2005年09月19日(月) どうしたの?

窓にカーテンではなく、障子に飾り戸。
だからあのホテルは落ち着くのかもしれない。

今朝方、5時少し過ぎに目が覚めたので、障子を開けて窓の外
を見てみた。
大きな太陽が首相官邸の屋根の向こうに昇っていた。
ギョッ!とした。
あんなに大きな朝日を見るのは初めてだ。それに妙に近くに感じ
るではないか。
「ねぇ、ちょっと見てよ」と
声をかける相手はいない。
はい。一人で来てます。また東京。

この首相官邸の裏手の地下鉄の出入り口は、いつも人影がなく
閑散としているのに、今日はシャネルを召した綺麗なマダムが
私の前3・4段先をエスカレーターで降りてゆく。

途中でふと気がついた。
ん?このマダム泣いてる?
ヒックヒックしゃくりあげる声が聞えて来るのだ。

エスカレーターを降りたところで立ち止まったマダムは思いっきり
声をあげ、子供のようにえ〜〜〜んえ〜〜〜んと泣き出した。
今日はギョッ!とすることばかりだな。
突然立ち止まったマダムにぶつかりそうになりながらも、素早く
避けることができた私は咄嗟に声をかけてしまった。
「いかがなさったのですか?」
泣き顔を隠しもしないでマダムは「だいじょうぶです」と答えると
より大きな声で泣きじゃくりだした。
こんな時、どうしたらいいのだ?
もしかしたら更年期で精神が不安定?

一緒に立ち止まっている私に、もう一度「だいじょうぶです」と言っ
たので、それならと私はさらに地下に潜るエスカレターに乗って下が
ったけれど、あのマダムの泣き声はホームにまで響いてきた。

少し経って泣き止んだらしいマダムがホームに姿を現した。
落ち着かれたのだなと安心している私の前を、泣き止んだわけでは
なく今度はむぜび泣きにかわったマダムが「さっきはどうも。。」と
いうように、お辞儀をしながら通り過ぎていった。
こんな時、ほんとにどうしたらいいの?





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