きまぐれがき
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2005年04月14日(木) 鑑定してもらう?

友人の拘りが、いつの間にか私にも伝染して、さほど興味の
なかったエコール・ド・パリの画家たちの美術展に足を運ぶ
ようになって10数年が経つ。
この時代の画家たちの中で、心惹かれるのはキスリングと
藤田嗣治だ。

キスリングのミモザはすごい。
じっと眺めていると、花房が揺れる。花粉が飛び散りそうだ。
瑠璃色の小ぶりの花瓶から溢れそうになって、どうだ!見てくれ!
といわんばかりに咲き誇っている。
あまりの堂々とした様に、花瓶がひっくり返らないか不安になって
しまうほどだ。

藤田が描く「手」。
独特の乳白色よりも、私はこの「手」が気になる。
「藤田はどうしてダヴィンチが描く手の真似ばかりしてるの?」
と、何も知らない私は友に訊いてみた。
「その手に惚れていたからさ」
ああ、だから洗礼名をレオナールにしたというわけね。

そんな藤田を、多分真似したものだと思うけれど(謎だ。。)、
レプリカ、贋作。。なんとでも言ってぇ〜〜〜
欲しくてたまらなくて10数年前に買った木版「カナリアを抱いた
少女」。

やはりダヴィンチの手をしたこの少女との出逢いが、
「贋物を持つよりも、なにも持たないほうがはるかにいい」
のポリシーを、ついに捨てさせたのだ。但しこの時だけ。





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