目次過去未来


2003年04月20日(日) 高貴



 大東亜戦争(米国側の呼称は太平洋戦争)期、日本に大使(昭和18年頃)として駐在したフランスの大詩人ポール・クローデル は、親友のやはり大詩人のポール・ヴァレリーに「私が滅びないように願う一つの民族がある。それは日本民族(ママ)だ、これほど注目すべき太古からの文明を持てる民族を他に知らない。・・・彼らは貧乏だ。しかし高貴だ。」といって日本を擁護してくれた。

 が、その二年後、米国は、北海道から順々に、絨毯爆撃という方法で我が民族を根絶しようという暴挙に出た。やがて敗戦の年一月に米国に「降参する」意思を文章で問うたが突き返され、その夏に原爆が落とされる、そして敗戦降伏の日を迎えた。
 マッカーサーが日本本土に来てみれば、日本人の意気は少しも衰えておらず、驚愕して、皇室を潰すととんでもない事態になると悟り、それを残すこととし、日本は無条件ではなく、「条件付き」降伏ということになり、敗戦が決定する。
 戦後のどさくさにも、略奪・暴行などは起こらず、逆に、米国占領軍の「女」要求に、プロの娼婦を頼んで、一般の婦女子を守った。負けても、自国の国民を守る気概は最後まであった。

 翻って今はどうだろう、国連についに、家族を拉致された人たちが、政府に失望し自ら壇上に立ち意見を述べに行くという。こんな国(政府)に、もうかっての クローデルのように擁護してくれる人は出て来ないだろう。「貧乏」はなくなった。が、高貴という言葉も一緒になくしてしまった。










myrte21 |MAILHomePage